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『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』のゲラ読み書店員さん募集中

新刊が出る。9月3日である。ということは、あと1ヶ月ちょっと。この前はタイトルすらも決定していなかったので曖昧な告知だったけれど、ようやく決定したので、全力告知モードに入りました。

『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』
(集英社インターナショナル)

タイトルからばっちり内容がわかるな。ただ、やや説明的、かつ身も蓋もないタイトルで、わたしはこれでいいんだろうか?とずいぶん悩んだのだけど、編集者Kさんが「これが一番いいと思う」と強く推すので「じゃあ、そうしましょう」ということになった。

実は、連載の時は『見えないアート案内』というタイトルだった。
このタイトルは編集部で好評だったらしく、書籍版でも『見えないアート案内』がいいんじゃないか、という声もあった。しかし、なんだか私は全然ピンとこなくなってしまって、いや、『見えないアート案内』だけは絶対に違う、理由はわからないけど、そうなんですとなぜか断固拒否。なんでそうなっちゃったのかわからないんだけど、『案内』という言葉がなんか違うんだよねー、みたいな。

そこから迷走が始まった、何十案ものタイトルがメールで行ったり、きたり。わたしも『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く旅に出た』というタイトルを捻り出したが、「要素が多すぎてぱっと意味がわからない」と言われ、そう言われりゃあそんな気もしてきたよね。

いつもちょっと不思議なのだが、あれほど一生懸命に本文を書いても、ノンフィクションの場合、タイトルは編集者が大きな決定権を持っている。著者がいくら推しのタイトルがあっても、編集者が首を縦にふらない限り、それにはならない。

カバーとか帯とか推薦文も同じくで、編集者がけっこうな権限を握っている。別にそれが悪いわけではない。著者といえどもその本の可能性を知らない場合もあるだろう。私の最初の本『パリでメシを食う。』も編集者がつけたタイトルだ。私はそう気に入ったわけでもなかったけれど、後になったらだんだん好きになってきたし、まあまあ読んでもらえた。そういうこともあるので、ええい、誰がなんと言おうと自分が信じた絶対タイトルをつけるんだ!とも思わない。

カバーデザインは、サトウサンカイ(佐藤亜沙美)さん。以前、佐久間裕美子さんの『My Little New York Times』のデザインを見て以来、わ、すてきだな、いつか頼んで見たいなと思っていた。こちらはKさんとすんなり意見が一致。佐藤さんはお子さんを出産したばかりだけど引き受けてくださった。

出てきたデザイン案は3種類で、どれも素敵だった。Kさんはシンプルなカバーが気に入ったようだけど、わたしは一番親しみやすそうなイラストを使ったデザインが良いんじゃないかといい、それに決定。文字の入り方などとても佐藤さんらしいデザイン。3人の人がちょっと楽しそうで嬉しい。イラストは朝野ペコさん。

さて、いまは出版に向けて「ゲラ読み書店員さん」なるものを大募集中である。「ゲラ読み書店員さん」は要するに本の発売前にいち早く本を読んでみませんか?というお誘いだ。その結果、別に発注がなくても構わない。まずは広く読んでもらう、その入り口を少しでも増やしたいという思いだ。「よっしゃあ、気に入った!」という場合は、注文書も入っているので、きちんと希望の冊数をお届けできるというのがメリットだろう。ご存知かわからないが、本屋さんによっては、発売日に希望の冊数を入荷させるのが難しい場合も多いのだ。


どれくらいの反響があるのかは具体的には知らないけれど、「反響がありますよ!」というその言葉を信じようと思う。(まだまだ募集しているので、気になる書店員さんはぜひともメッセージを送ってみてくださいね!)

いろんな美術館が出てくる本だが、別に美術好きじゃなくても楽しめる本だと思う。むしろ、旅が好きな人にもいいかもしれない。参考までに本に出てくる美術館は、水戸芸術館(茨城)、はじまりの美術館(福島)、黒部市美術館(富山)、大地の芸術祭(新潟)、茨城県近代美術館(茨城)、興福寺国宝館(奈良)、三菱一号館美術館(東京)、国立新美術館(東京)で、ゲスト的に出てくるのがオルセー美術館(パリ)ほか。

最後にゲラ読み書店員さんへの私からのメッセージがこちらです。

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