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勝手にロックダウン日記 昼の平和と夜の衝撃(5/15)

来週はずっと雨!という残念な天気予報を目にした。
え、まさか、もう梅雨・・・なわけないか。

でも、いい季節はやっぱりすぐ終わってしまうんだな、と思い、今日もいそいそと公園に出かけた。気分転換に自宅から2キロくらいの中目黒公園へ。中規模ながらお花がたくさん植えてあり、芝生も広く、とても気持ちの良い都会の公園だ。

妹のサチコとオフィスメイトの美緒ちゃんもこれるという。娘は久しぶりに家族以外の人と会えるのが嬉しいのか、朝から「楽器をもってく!なんの楽器がいいかな!ハーモニカとウクレレとピアノと、わあああ、どうしよう!!」というハイテンションモード。

娘は二日前から蕁麻疹が出ているのでは、まずは皮膚科に連れていく。小さい頃から娘は蕁麻疹に悩まされていて、一度は顔全体が腫れ上がり、気道が詰まったら・・・と恐ろしくなり、救急車を呼んだこともあった。

今回はさほど酷くないものの、やっぱりいろんなところがかゆいようで、ひっきりなしに「薬を塗って」と頼んでくる。皮膚科は5人くらいの人が待合室にいて、20分ほどの待ち時間。

全員がマスクをしていて静かに過ごしている。一方でおしゃべりのナナがひっきりなしにしゃべっている。なぜか今日に限って本を持っていないので、最初は小さな声でしりとりをして時間を潰していたが、それも申し訳なくなり、しょうがないので携帯で動画を見せてじっと待つ。

幸い、処方してもらった薬が見事に聞き、公園に着く頃にはちょっとかゆみが少しひいていた。

そんな感じで二人と合流。適度なディスタンスをとりつつ、サッカーボールを蹴ったり、ウクレレをちょっとだけ弾いたり。今日もいい風が吹いていて、清々しい気分で家に戻った。

夜になると、食事当番のIくんがとんかつを揚げてくれる。そのとんかつがわらじみたいにバカでかく、しかも4枚もあって呆然とする。
「こんなに膨らむと思わなかった!」
「うん、そうだね」

それにしても、いままでほとんど料理をしたことがないだけに、家でとんかつをあげる、という発想にびっくりしてしまう。私はいま色々大変で省エネモードだから、揚げ物のような面倒なことをしようとは思わないなあ。彼はエネルギーがいっぱい余ってるんだあ。

Iくんの初とんかつは、サクサクしてなかなかおいしかった。なんとか4枚中2枚だけを食べ、残りを冷蔵庫へ。

食べながら、以前よく言っていた中目黒のとんかつやさんの話題になる。昔ながらのとんかつ屋さんで、端っこの座敷の席が私たちの指定席だった。
「あそこのお母さん、元気かなあ」
「いつも優しかったよねえ。座敷の端っこでオムツも返させてくれて」
「なんとか元気でいて欲しいなあ」
「今度また食べに行こう」

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I君にとっての人生初揚げもの。おかげでキッチンはえらい惨状だったが、レパートリーが増えるのはいいことだね、うん。

うちでは、作ってもらった人が片付けることになっているので、今日は私が片付け係。飛び散った粉やパン粉や、バットがわりに使われたらしき大量のお皿などを片付けていく。

その後、携帯を見ていたIくんがなにげなく「あれ、レナウンって・・・なんか関係してなかったっけ?」と言う。送られてきたリンクには衝撃のニュースが。

なんとレナウンが経営破綻したという。実はレナウンは、色々とゆかりの深い会社で、妹が会社を立ち上げたときに最初に仕事をくれたのがレナウンだった。あれから20年が経ち、実は3月も「山小屋」とアクアスキュータム渋谷店でコラボレーションして海をテーマに作品展示をしたばかりだった。

「あれが最後になるなんて・・・」「うん、これからどうなるんだろう」と妹と電話で話す。しかし、部外者である私たちには新聞以上の情報はなかった。幸いにして3月の展示の清算はすでに済んでいたが、妹はスタッフの人たちをしきりに心配していた。

あれだけの規模の会社となると、大きな影響を受ける中小企業や個人も多いことだろう。こうして、コロナの影響はじわじわと広がっていくんだなあ。長い間取引をしてきた会社がなくなるという現実を前に、急に日本経済の本格的な破綻が始まった気がして、ずじんときた。



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