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禁断症状が起きた時に、あの粉が買える店

2020年4月6日(月)

【Day 18】

そろそろ日本食に対する禁断症状が出てくるころだ。

先日、日本から持ち込んだソーメンを茹でてヒガシマルうどんスープで食べたのだが、これがビックリするほど旨かった。出汁とか醤油の風味に飢えていたことを強烈に思い知らされる。

しかし、食後キッチンに散らばったヒガシマルうどんスープの残骸を見て、アッコがキレた。

「おとう、5袋も使ったの!?ヒガシマルは貴重なんだからダメだって!」

アッコは食べ物関係にことになると、殊更ヒートアップする。

家族5人に対して5袋(もちろん一袋は一人分の小袋)のヒガシマル。メーカーが持てる技術の粋を注いで、最も美味しいスープになる分量として提示しているものを、その通りに食べているからこそ、あんなに美味しかったのだ。本来なら全く咎められる言われがない状況だが、アッコの気持ちもわからなくはない。何しろヒガシマルはあと2袋しか残っていない。

出汁の旨味を思いっきりキメてしまった今や、今後、禁断症状が出たら最後、2袋では到底足りない。もちろんコールズにはヒガシマルはおろか、昆布出汁や鰹出汁の材料になるものは見当たらない。

もはや覚悟を決めて家庭での和食は諦めるしかないか……と思いきや——

見つけてしまったのである。オアシスを。

クロウズネストの中心には、「ウールワース」という、コールズと双璧をなすスーパーマーケットが鎮座している。我々がステイしている場所からも徒歩10分弱という立地だ。

そのウールワースの併設店に、そのオアシスはあった。

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「夢屋」、先日のインスペクションで街を歩き回っているときに発見した、日本食材専門店である。

こじんまりとした店内には、この2週間ですでに懐かしく感じる日本食材が所狭しと並んでいる。棚だけを見ていると、ここは日本なのかと錯覚してしまうほどの品揃えだ。

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それを見て、歓喜する子供たち(と、僕)。

あるよー、あるある、醤油が!味噌が!美味しいお米が!美味しいカップラーメンが!美味しいふりかけが!美味しい餃子が!美味しいこんにゃくゼリーと雪見だいふくが!そして、ヒガシマルもあるではないか!!

これで心置きなく一人一袋のうどんスープが味わえる!

「もったいないからダメに決まってるでしょ。5人で3袋」(アッコ)

……はい。

それはさておき、此処はその屋号の通り、このクロウズネストに住んでいる日本人にとって、まさに夢のようなお店と言えるだろう。

「あれ買っていい?」
「これ買っていい?」
「あれも!」
「これも!」

店内中を舐めるように見て回り、いちいち商品を自分の元へ持ってくる子供たち(と僕)にうんざりしたアッコが叫んだ。

「一人3ドルまでのもの一個だけ!」

そしてそれぞれが選んだのは、

長女→味噌
次女→刻み高菜
三女→納豆
僕→醤油

子供たちはお菓子にかじりついていたというのに、結果的にはこの渋いチョイス。やはりプライオリティはお菓子よりメシであることを本能的に感じ取ったのだろう。

店舗を切り盛りするのは日本人のご夫婦。今後もお世話になりまくるはずなので、末長く宜しくお願いします!

そう考えると、住む場所は夢屋から徒歩圏内であることが最重要事項かもしれないと思いつつ、明日は2回目のインスペクションを迎える。

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