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僕に絶望的な肉体の衰えを自覚させたもの

2020年4月1日(水)

【Day 13】

それは……

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ツムツムである。

これまでこの手のゲームにハマったことは一度もなかった。むしろ、電車の中でツムツムに励む女性などを見ると、内心「もっと有意義なことに時間を使いたまえよ」などと思っていたぐらいだった。

しかし、次女にせがまれてアプリをDLしたが最後。今は軟禁状態であることと、フリーランスになりたてで仕事がいったん途切れていることも手伝って、結構な時間をツムツムに費やしている(営業資料作成とか読書とか英語の勉強とか、有意義なこと、いや、必須なことに時間を使いたまえよ……)。


ツムツムをやって気づいたことがある。これの中毒性は、パチンコとかパチスロのそれに酷似している。

自分はかつて仕事の関係もあって(パチンコメーカーのプロモーションツールを一通り制作していた)公私ともにパチスロにどっぷりハマっていたことがあるが(最終的な収支はプラスだったのが自慢)、あのマシンが繰り出す演出の、視覚と聴覚を刺激し人々の脳内にエンドルフィンやらドーパミンを溢れさせるための緻密な作り込みは恐るべきものがあった。

ツムツムの演出には、(金銭がかかっていないにも拘らず)それと全く同じ脅威を感じるのである。「フィーバー」っていう演出があるぐらいだから、制作サイドもパチンコを意識しているだろうと思うが。

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ツムツムで高得点を稼ぐには動体視力と反射神経が不可欠だが、今の自分は、これらのスペックが絶望的に落ちていることに気づかされる。

自分ではできるつもりでゲームに臨んでいるのだが、例えば、隣り合っているツムの配色が似ていたりすると瞬時に識別することができず、呆れるほどもたつく。ツムがジグザグに繋がっていると目で追いきれない。仮に目では捕えたとしても、指が瞬時に動かず正しくなぞれない。

それでも、しばらくは自分のプレイはいたって普通のスピードなのだと思っていた。しかし、どうしても僕がミッション(1プレイでEXPを350貯めよう、とか)をクリアできないことを見兼ねて長女が僕の肩を叩いた。

「一回貸してみて」

しぶしぶスマホを渡した僕の目の前で、長女はアッサリとそのミッションをクリアしてみせた。そして、その指の動きは圧倒的に速く、そして正確だった。

娘の成長と自分の肉体の衰えを、同時に、そしてリアルに感じた瞬間である。


失意の中ふとリビングに目を向けると、

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リアルツムツムが始まっていた。

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