見出し画像

『ハブでも分かる!?偉老説伝』vol.2

『偉老説伝(いろうせつでん)』とは

 1740年代に琉球王国の歴史書として編纂された『球陽』の外巻。
 本作は首里政府が各地に命を出して集めたとされるその内容を、沖縄のポータルサイトDEEokinawaさんに漫画でゆるく描き下してみるという連載です。

DEEokinawa『ハブでも分かる!?偉老説伝』
第二回「田芋のふるさと」

・・・・・・・・・

原文
田芋の由来

 むかし、中城の糸蒲(いとがま)というところに一つのお寺があり、名を糸蒲寺と申します。
 このお寺のお坊さんは金武村の人で、ある日近くのあぜ道を歩いているとき、不図田芋が溝に生えているのを見ました。
 今まで一度も見かけたことのない葉や枝なので大変珍らしく思い、それを寺に持ち帰り庭先に植えつけました。
 それから月日がたったある日、掘り起こして見るとかわいらしい田芋が、次々と出ること出ること。またたく間に山盛となりました、喜んで早速鍋で炊いて食べると、その味は又格別で、何んとも云われぬ美味でした。
 そこでこの田芋は、食物として大変有益なことを知り、近隣の人々にもそのことを教えました。
 村人も大いに喜んで田芋の種を分けてめいめい栽培するようになり、その後だんだん他の地方にもひろがり、国中いたるところ植えられることになりました。

註 「糸蒲之地」の宇名は中城村になく、沖縄県地誌によると「津波村の境界に属し、イトガマ原は本村の西南に在る、田芋生地なり、原内に人家あり、イトガマ原寄居という」とある。

・・・・・・・・・


🌺ありんくりん帳🌺

 田芋(ターンム)とは字の通り水田で栽培する芋のことで、サトイモの仲間。現在の主な栽培地は宜野湾市大山と金武町です。
 次々と小芋を増やすことから、子孫繁栄の縁起物として沖縄の正月料理やお盆の料理などの定番となっています。
 カリウムやカルシウム、鉄分、ビタミンAやCなどが豊富で、栄養満点。
 ねっとりとした食感に、甘味のある独特な味。
 食べ方は砂糖醤油で炒めたり田楽にしたり、天ぷらにしたりと幅広い。甘味を活かしたスイーツも絶品で、田芋パイはアップルパイに並ぶポピュラーなパイになり、沖縄のほとんどのスーパーのお惣菜コーナーでも販売されています。

🧁おすすめの田芋スイーツ
 田芋工房「きん田」 田芋チーズケーキ
 ブルーシールアイスクリーム 沖縄田芋チーズケーキアイスクリーム 

🥧田芋パイのお店・企業
 手づくり菓子の店 なかとみ(田芋パイ元祖)
大山パイ
沖縄マツバラ
きなこや
大福製菓
田芋工房「きん田」
マルキヨ製菓
マルメロ
・・・・・など

 私も田芋は大好物。
 特に田芋工房きん田さんの田芋チーズケーキが大好きです🥧💕
 最後のクバくんとハナちゃんの「ありがとうお坊さん 中城村」は、作者魂からの感謝のセリフです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?