目標達成に対する3概念について

目標を達成するために何をするべきか、ということについて悩んだことがある人は数多くいると思います。

目標といっても、それは人によって違い、好きな女の子と付き合いたい、志望校に合格したい、希望する会社に就職したい、あるいは金持ちになって一生遊んで暮らしたいなどと様々でしょう。

これらの目標はその種類によってやるべきことが変わると認識されています。

例えば、恋愛で上手くいくためには髪型、服装などのオシャレに気をつけねばなりませんが、志望校に合格するためにその努力はほぼ無意味と言えましょう。

受験では優秀な成績を修めていても、就活では滅法苦労するという方もいるでしょう。

確かに一見これらはやるべきことが異なります。

しかし本当にそうでしょうか?

あらゆる物事に通底する普遍的な法則、原理などがあるとすれば、それを理解すれば、どんな種類の目標達成において役に立つのではないか?

そのような考えに至り、今回、目標達成に必要な3種類の概念について記載したいと思います。

3種類の概念とは「哲学」「戦略」「戦術」です。この記事は受験を一目標として実際に考え、それを達成するために上記概念をどう活用するか記していきます。

1.「哲学」とは

哲学という言葉を使うと一見難しいように思えて、それだけで敬遠する方もいると思います。

確かに哲学の本というのは難解な物が多く、専門的な部分もあるので理解し難いのですが、ここでいう「哲学」とは、「最も根本的な疑問や動機」ということです。

つまり「なぜこれがしたいのか?」ということです。

受験で考えてみましょう。
受験における最も根本的な疑問や動機は何なのか。
「〇〇大学に合格したい!」ということでしょうか。

私は上記の願望にはさらに背景があると考えます。

〇〇大学に合格したいのはなぜか?
→①〇〇大学の研究室のみでできる研究があるから
→②家から近いため
→③好きな人がその大学を目指していて、同じ大学へ進みたいから
→④〇〇大学くらいのレベルでないと周囲に認めてもらえないから

同じ大学に行く理由をとっても様々な理由があると思います。

私がまず重要だと思うのは、何故この大学に行きたいか?ということをはっきりさせることです。

上記の例でいうと、私は①と③については強力な動機になり得ると思っています。①は大学入学後を見据えた素晴らしい動機です。

③は一見不純な動機に見えますが、異性に対する意識というものは人間というか、生物がもつ欲求の中で最も原始的かつ強力なものだからです。
そのため、好きな人について行きたいという欲求に基づき、結果的に上手くいくならそれは卓越した哲学と言えます。

しかし、残りの②、④についてははっきりと動機が不純で、しかも本能に訴える強力な理由とはなりづらいものであると考えます。

この哲学という段階は、目標達成のための最も根幹を握る部分です。

ピラミッドがあって、そのピラミッドの一番下の段を形作るのが哲学です。後述する戦略や戦術はその上の段に位置するので、哲学の段がなければ、戦略や戦術は存在することが不可能なのです。

強い動機がない状態で人はやる気を出すことはできません。

漠然と彼女が欲しいな〜と思い、可愛い子は全員付き合っていて残っておらず、ブスばっかり残っていて、ブスでいいかなどと妥協してもやる気は出ません。

どのような理由であれ、それが本人にとって強力な動機であれば良いのです。

2.「戦略」とは

戦略とは哲学よりは具体的で、戦術よりは抽象的な概念です。簡単に言えば「物事を進める方向性を明解にすること」と定義できます。

受験を例に考えてみましょう。上記の哲学の段において、自分が何をしたいのか、なぜこの大学なのかということは明確になったはずです。次に実際に合格するために必要な方向性を決めることが必要です。

受験の場合、まずは試験科目と試験範囲をしっかり把握しておきます。孫子兵法においても「彼を知り己を知れば、百戦危うからず」とある通り、事前の情報収集は必須です。

また、ただ試験範囲を調べるだけでなく、点数配分を知ることも必要です。国語が50点、数学が100点の点数配分であるならば当然、数学に重きを置いて勉強すべきですし、数学は得意で勉強の必要がないなら、国語を重点的にやる戦略もあるでしょう。場合によっては、国語を一切捨てる、または古文や漢文だけを捨てるといった選択肢もあるわけです。また、これらの選択は自身の実力の把握無くしては出来ないものです。

ちなみに戦略はあらゆる事物について、応用範囲が広いです。人間の心理や行動様式により体系化された戦略は受験のみならず、様々なことに通底する真理です。「戦わずして勝つ」→AOや推薦入試を使う。戦争を長期化させない→同じ科目の勉強をやり続けず、集中力を切らさない、などと兵法上の戦略も解釈と運用次第で応用可能です。

鑑みるに戦略を立てるのに必要なことは、相手や自分に対する徹底的な情報収集をすることです。

情報収集すれば必要な戦略=方向性は自ずと見えてきます。

日本人は受験生に限らず、この戦略を考える訓練をしていません。学校で教わるものではないため、自学で書物により勉強するか、ビジネススクールで経営について学ぶ時に初めてわかる概念なのです。

教えてもらえるものではないので、意識して自分で学ばねばなりません。意識しないでいると、日本の受験生は戦術のみで戦うことを強いられてしまうでしょう。

3.「戦術」とは

戦術という概念は説明不要なものです。この概念は私たちが目標達成を進める上で必ず行うプロセスだからです。

戦術とは、すなわち「目標達成の為の具体的に行う作業」のことです。

受験で考えると、英語の点数を上げるために英語の勉強をするといった具合です。非常に理解しやすいと思います。

強いていうなら英語の勉強の仕方にも無数のバリュエーションがあり、これらも戦術に入ってきます。

英語の勉強にも、英単語、文法、リスニング、ライティング、リーディングのどれを選ぶか。また、教科書を使うのか、参考書か、英語が得意な友達に教えてもらうのか、インターネットでネイティブと会話し合うなど様々です。

こう考えると、英語の勉強一つとっても種類が多数存在し、知っているやり方が多いほど有利なのは間違いないでしょう。

また、記憶力を上げるのにナッツや青魚が良いなどの知識も受験に有利に働きます。これらも具体的な方法という意味で戦術に該当するものです。

上記のとおり、戦術とは具体的な作業そのもので、知っている知識の数そのものが力となります。

4. 3概念のうち最も重要なのは

はじめに言いますが、3概念はどれも欠かすことが出来ません。ゆえに一見優先順位をつけられないように思えるかも知れません。

ただ、一番重要なのははっきりしています。それは「哲学」です。

哲学がしっかりしていれば、目標達成する上での意思がブレることがなくなります。

自分が何故その大学に行きたいのかをしっかり考えていれば、心折れそうになっても初心に帰り、立て直すことができるのです。

そしてこの哲学が一番重要というのはあらゆることに通底しています。

企業が経営理念を大事にするのは、哲学が大事だと経営者が気づいているからです。

難しい哲学書を読まなければならないと言うのではありません。ただ、〇〇とは何か?何でこれは〇〇なんだ?といった思考の仕方は普段から試行を重ねなければ出来ません。

普段の生活から、色々なことに疑問をもち、それをより抽象的に抽象的(抽象度を上げる)に考えることが重要なのです。

戦略もそうなのですが、日本人は哲学についても学びません。皆無と言っていいでしょう。哲学や戦略の2概念を思考段階として意識するだけで、周りよりもレベルアップできることでしょう。


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