△の会 #2|ゲスト長谷川愛(アーティスト)6/4(木)21:00〜|
アートプロデューサーの林曉甫、編集者の桜井祐、そして編集者・キュレーターの塚田有那の3人でスタートした「△(サンカク)の会」。毎週木曜(時々水曜)、△の中心にゲストを迎えてトーク番組をお送りするはこびとなりました。配信は私が編集長を務めるアートサイエンスメディア「Bound Baw」のYouTubeチャンネルからです。http://boundbaw.com/
△の会 #2 |ゲスト:長谷川愛(アーティスト)
https://youtu.be/CjNZUONXnJk
なぜ△。
3人だから。
古今東西、意味あるシンボルだから。
ケルトの三つ巴とか、ピラミッドとか、三位一体とか。
まあそんなことをチャットしているうちに、秘密結社風味なロゴが生まれました。デザインは△会で「アサ神」と呼ばれ始めた坂本麻人くん。爆速対応ありがとう。
△のはしっこには「共話・共創」という文字も刻まれています。
ふしぎなもので、ビジュアルが先に生まれるとなんとなく3人の腑に落ちどころができるというか、「あ、私たちこういうことやりたいのかな」っていう、言語化される前の空気が醸成されつつある気がします。
この「言語化される前の空気」っていうのは、先週、第1回目ゲストとしてお越しいただいた盟友of盟友(と言い合ってる)情報学研究者のドミニク・チェンさんも著書で書かれていました。
『未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために』(新潮社)
これがまた素晴らしい本なのですが、中でも私のお気に入りは、ドミニクさんの娘にまつわるくだりで。「フランス語と日本語のあいだで、うまく喋れずもぞもぞしている娘を見て、言葉を放つ前からコミュニケーションは始まっていると気付いた」。
これ、ものすごく当たり前なんだけど、ものすごく忘れがちなことだなと。この「言葉の手前」にあるもの、言い換えれば世界に表出される前の現と幻のあいだのようなものを、気持ちのいい境界線上で交換しあっていく。アメリカも香港も、ここ日本でも、世界はいまもう分断と衝突の渦中にありますが、いまこそ「共話」と「共創」の実践を考えたいなと思っています。
で。
今日21時からのゲストは、これまた盟友のアーティスト、長谷川愛さん。
数年前、彼女がMITメディアラボ在籍時代に渋谷のエクセルホテルのカフェでインタビューをして(1時間くらい遅刻してきた)、取材後もなぜか話が止まらずそのまま別のカフェに行き、お互いの恋愛観から家族観まで1時間くらい一気に語り合ったのでした。
それから数年経ってよく飲みに行くうちに、昨年彼女の初の著書『20XX年の革命家になるには スペキュラティヴ・デザインの授業』の担当編集を手がけることになりました。
今日はこの本についても色々紹介できるといいなと。
社会の革命とアートとファンタジーの本です。
なぜアーティストが「革命」を語るのか。
愛さんのいう「革命」とは、人々の意識を変え、別の世界を夢想することを指しています。いまいる世界を愚痴るだけではなく、諦めもせず、思考停止もせず、かといって問題提起をするだけではなく、「別の未来」を描いて伝え続けること。それが「スペキュラティヴ」という態度の根幹なのだと知りました。
ちなみにいまアメリカや香港は大変なことになっていますが、この本でも長谷川愛作品《Alt-Bias Gun》と共に #BlackLivesMatter について触れています。
いやもう、この本、ほんと大変で。
制作終盤に差し掛かって溢れ出てくる愛さんの文章(文字通りあふれた)を一文ずつ編み直し続ける日々が続きました。夏は全然書けないって嘆いてたのに、なんでいまさらめっちゃ増えてるんだよ文字数。って思いながら、長谷川愛というアーティストが日々もがきながら描いてきた夢の世界に心底心打たれました。
長谷川愛というのは不思議な人です。
イルカを産みたいとか、木星にラブホテルをつくるとか、食糧難になったらポップなカラーのゴキブリを食べてみようとか、その想像力はとどまることを知らず。
一方で、常に社会へのラディカルな問いを持ち、社会の不平等、 権力や巨大なシステムへの疑念といった今日の危機を鋭く突きつける。
そのまた一方で、恋愛や家族や仕事で嘆き、突然自己肯定感がマックス下がった少女みたいになる。どんな場所でも包み隠さず溢れてしまう。
この絶対に嘘をつけないまっすぐな視線が、彼女の作品の根幹にあるし、彼女を苦しめまた救いもする社会へと向けられているんだろうなと思います。
なんかラブレターみたいになってきた。笑
そんなわけで今日21時から、お楽しみに!
6/4(木)21:00〜 Bound Baw チャンネルにて
△の会 #2 |ゲスト:長谷川愛(アーティスト)
https://youtu.be/CjNZUONXnJk
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