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第3話 お助け舟が出される


ドリーンは少し明るい顔になりお茶を一口飲むと
「聞いて下さいますか!?」と一気に話し始めた。

ドリーン「エンターティメントやイベントって、本当は食べ物と同じ位大切で、人にとって必要不可欠だと思うんです。
お腹の底から笑ったり、夢中になって踊ったり、美しい音楽を聞いたり、表現したり、、、
それを自分だけでなく、多くの人とシェアすることで喜びが倍増するし、免疫力だって知らずに上がると思うんです。」

私「同感です。」
(でもエンタメは、私の仕事とどう結びつくのだろう?)

ドリーン「不要不急の外出自粛や長引く不安や恐怖、自分自身と向き合った今だからこそ、これからの世の中にとってどんなエンタメやイベントが必要になってくるのだろうかと散々考えました。」

私「それで答えが出たんですか?」

ドリーン「そうなんです!今後は小さい規模でも良いから、心のこもった癒やしの場の提供や介護のパーソナルケアとして高齢者の方々を対象とした船旅のアテンドサービスをしていきたいと決めたんです。」

(規模としては小さくないでしょ・・・。気持ちは解るが高齢者の介護、簡単ではないぞよ、お嬢さん!)

私「船旅のアテンドですか?今は高齢者の皆さん、船旅には敏感になっていますよね」
ドリーン「はい。」
私「本人が行きたくても、周囲が健康を心配され断念する方も多いと聞きます。」
ドリーン「知っています。」
私「今は、風向き悪いんじゃないですか?」
ドリーン「実は、そんな状況の中なのに物凄い助っ人チームが現れたんですよ!」
私「そんなタイミング良く?」
ドリーン「はい!実は遠縁の親戚なのですが、介護船を無料提供してくれると申し出が有ったのです。それも名医と強者ナース付きです。」
私「ご親戚の方なら信用できますね?」

(そう言いながら、すでに別世界の話にしか思えない)

ドリーン「はい!但し一つ、交換条件が出されてまして・・・」

私「何なんですか?」(でたな、このパターンは今までの経験上怪しいかも!)

ドリーン「親戚の叔父叔母は、その船に住んでるんですが高齢になった者も居て、実は住み込みのヘルパーさんを望まれてます。」

私「そうなんですね。」


ドリーンさんが、ぐっと近寄る。


ドリーン「出来れば身元がしっかりした方。人生を半ば越えた位で、
住人やゲストの話し相手にもなり、世間とのしがらみもなく、
万が一の転覆の時にも騒がず、、、。
三食昼寝付きでいいから、定年無くて死ぬまで働ける方を探してほしいと」

ドリーンさんが私を穴のあくほど見つめ反応をみている。

私「も、もしかして私?ですか!?」


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