僕が人の恋路を微笑めた話

この話は、裏目に出がちな僕の性格が自分でも嬉しくなるほど上手く働いた話。

半年以上前。まだウイルスが世界を埋め尽くすなんて過去の遺産かファンタジーの世界の話だった頃。僕はお店で友人達とお酒を飲んでいた。

酔いが席を埋めて。話は色恋のものとなった。

ある友人の恋人との関係を聞いて、僕は『へー』と納得の相槌を打った。僕は当たり前の反応としてしたソレに対して、その友人は目を丸くした。そして『なんかそう言ってもらえるの嬉しい』と微笑んだ。

その友人は絶賛遠距離恋愛中で、恋人ともあまり連絡を取っていないらしい。だから普通は『えー』とか『寂しいじゃん』とか『それで恋人って言えるの?』とか言われてきたらしい。使っている当人は意識していない、やんわりとした否定の言葉を、受けてきたらしい。それが当たり前の反応だった中、僕がした僕の当たり前は彼にとって嬉しいことだったらしい。

僕の基本方針の一つは、『幸せの祝福』だ。
本人が幸せならば、それはとても素敵なことだと思っている。
さらにそれが〈他人に迷惑をかけていない〉ならば僕が笑顔を枯れさせることはない。

遠距離で連絡を取っていなかろうと、他人に迷惑をかけていないし、何より、僕がした2択の質問に彼はハッキリと答えていた。

はい。今僕は幸せです。



その後、惚気話を訊き出しまくった()

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