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自分の「弱さ」を語ることで得られる8つのこと

誰にでも弱さがあります。でもそれは認めたくないことです。それは、怒りや不安、恐れ、そして恥ずかしい経験、複雑なトラブルなどです。当然、自分で認めることすらなかなかやりたくないのに、人に話すなんて言うことはもっとやりたくないわけです。しかし、カウンセリングという心を整えたり、自分を責めることから抜けだしたり、さらにありのままの自分を認めて生きていくためには避けて通れないことなのです。ここでは弱さを語ることで得られることを8つお伝えします。

目次 [hide]

弱さを語ることで得られることその1
気持ちが軽くなり、すっきりした感覚
弱さを語ることで得られることその2
自分を認める気持ち
弱さを語ることで得られることその3
心の強さ
弱さを語ることで得られることその4
信頼関係
弱さを語ることで得られることその5
自分を肯定する力
弱さを語ることで得られることその6
感情をコントロールする力
弱さを語ることで得られることその7
他人への肯定
弱さを語ることで得られることその8
希望
弱さを語ることで得られることその1
気持ちが軽くなり、すっきりした感覚
よく心のモヤモヤとか、おなかの中の鉛のようなもの、とかいう表現があります。うまく言葉にはできないけど、不快な感じです。この多くは、言葉になっていない、「弱さ」であることが多いです。

人間関係にしろ、仕事にしろ、そこにある問題が解決しないと、気分が晴れないと思いがちですが、実はそうではありません。言葉になっていない心の中の何らかのモヤモヤを言葉にすることで、気持ちは晴れます。

カウンセリングに来られて終わった後に、「スッキリした」とか「気持ちが軽くなった」と感想をいってくださる方は間違いなくその人の「弱さ」を語っています。 普段なかなか人に言えないようなことです。自身の貧しかった過去、みじめな思いをした経験、時には性的な話もあります。不幸で辛く悲しい話を言えないのは当然なことです。ましては、話してしまうことで、人に嫌われる、否定されたりバカにされたりするのではないかという恐れもあります。

実際にこの人は信頼できるから大丈夫だろうということで、思いっきり打ち明けたことで、その人に裏切られたなんていう経験がある人もいます。

ではどうしたらよいかということで、カウンセラーが登場します。

カウンセリングは聴くことのプロであると同時に、認めること、否定しないことのプロでもあります。 カウンセリングはその人の傷ついている部分を暖かく包み込むような聴き方があいてを癒すのです。しかし、カウンセリング現場だけでなく、日常的に弱さを語ることは大切なようです。
その2はそのあたりを詳しく書いて見ます。

弱さを語ることで得られることその2
自分を認める気持ち
私たちは弱さを見せたり、相手に悟られたりしないように隠します。これは建前で生きて、本音を隠している状態で、大人であれば当たり前の状態かもしれません。

でも、この状況をずっと続けると、心に負担がかかります。

例えば嫌なことがあっても「大丈夫」と言ってみたり「気にしない」と言ってしまうことは誰にでも経験のあることでしょう。こうやって「強がる」ということをします。

強がるというのは文字通り強いフリをするのですが、しょせんは「フリ」でしかなく、これは建前でありますし、弱さを隠す一つの方法でもあります。強がった結果が「怒り」になることもあります。つまり、強がるということは、本来は弱いということでもあるのです。
しかし、弱いところを見せるとそれだけで「無能だ」とか「負け組だ」と思われるのではないか?と思ってしまいますが、その思い自体が弱さでもあるのです。

その弱さを「強がる」ということで表現していだけなのです。
この強がるを毎日やっているとどうなるかということですが、当然ながら、疲れます。身体的な疲れではなく、精神的な疲れです。

強がりからくる言葉や振る舞いは「本音」ではありません。ありのままの自分
弱さは必ずなんらかの形で表現されているのです。

強がった分の借金みたいなところをきちんと弱さを言葉にして整理しないといけません。心がずっと平穏な状態を保つことは確かに理想ですが、これはなかなか難しい。時には強がる必要もあるのです。だからこそ、弱さを自分で認めて、「あんなことやりたくなかったなー」とか「無理をして頑張ってたんだな」と認める必要があるのです。これは時に自分をゆるすということにもつながります。

弱さを語ることで得られることその3
心の強さ
弱さを語ることが強さにつながるというのは、矛盾していると思われるかもしれません。

弱さを認められない、言葉にできないのはなぜだと思いますか?それは心が弱いからです。認めたくないから、なんでも自分でできる、努力すれば克服できる、自分の弱点は隠し通せると思って頑張る。でも、やっぱり、透けて見えるんですよね。そういうひた隠しにしている弱さが。そこを必死に隠そうとする。

それは、ずっと自分に嘘をつくことにもなります。そのウソがどんどん自分を傷つけていくということが、どこかで分かっていながらもなかなか認められないでずるずる行ってしまうわけです。


つまり、強がる人ほど自分を認めておらず、強がれば強がるだけ本音から遠ざかってしまうのです。強がる人ほど弱いのです。本音のところにある自分を認めたくない、認める力がないのです。逆に弱さを認めると強くなるのです。弱さを語ることができればそのぶん強くなれますし、さらに他人の弱さにも寛容になるのです。
人間は一人では生きていけない弱さをもともと持っています。弱くていいのです。

そして自分は弱いということに気づいた時に真に強くなることができとも言えます。

弱さを語ることで得られることその4
信頼関係
弱さを語ることはかなり勇気のいることではあります。そこをさらけ出して認めてもらえる関係性は、実は素晴らしいものがあります。

弱さを語った勇気をたたえられ、つらいこと、悲しいことがあったことを認めてもらい、受容してもらう。弱さを語った時、相手に「認めてもらった」という感覚だけでは、実は半分くらいしか満たされません。そこに必要なのは「分かってもらった」という感覚なのです。これが真に「受容された」という気持ちになります。そして、その受容されることによって人は変化します。

二つの変化が考えられます。一つは「前向きさ」です。たとえば、人間関係に問題があったとします。上司に厳しく当たられることで、仕事をするのが嫌になっていたとします。自分の中には「私が仕事でミスをするから悪い」という考えがあり、申し訳なさでいっぱいです。ところが、「何もそこまで言わなくても」とか「なんで私ばっかりそんなに厳しく言われないといけないの?」とか、さらには「あの人嫌い」という怒りや憎悪があって当然なわけです。そういう言葉を吐くことには勇気がいります。その人がそこに居なくてもです。

そのことを第三者に言葉として伝える。伝えるだけでもスッキリしますが、そこでしっかり相手に話を受け止めてもらうことで、受容された感覚を味わいます。

目の前の人は何も関係のない人です。でもその人に話を受け止めてもらうだけで気分が前向きになるのです。上司との関係が変わったわけでも、仕事のスキルが上がったわけでもないのにです。そして、前向きになったことで自分を客観的にとらえて次にどうして行けば良いのかを考え始めるのです。これは心が弱っている状態が回復したとも看取ることができます。

二つ目の変化は人への信頼です。
勇気をもって話をして、そのことを認め、理解してくれる人のことを信頼することができます。この信頼が、心の支えになるのです。私の大変さを分かってくれる人がいる。私のことを受け止めてくれる人がいるという安心感に支えられて大変な状況に立ち向かうことができます。

カウンセリングの現場は弱さを以下に語ってもらえるかが、カウンセラーの腕の見せ所です。大抵は「この人に話して大丈夫か?」と思って疑いながら始まるものです。確かに初対面の第三者に自分の内面をさらけ出すのですから、話す方も抵抗を感じてしまいます。しかし、本当に話したいことを話さない方が、この緊張感、抵抗感はなくならないのです。本当に話すべきことを話すから、互いに信頼関係をつくることができるのです。

弱さを語れないうちは弱さに振り回されてしまいますが、弱さを語るとその弱さをとらえて、見つめ直すことができるのです。
どうか良いカウンセラーに巡り会い、弱さを語れる相手にしてください。きちんとトレーニングを受けたカウンセラーら相手を決して否定しません。

弱さを語ることで得られることその5
自分を肯定する力
弱さを語ることが自分を強める秘訣です。とは言っても、誰彼構わず話ができるわけではありません。話す相手がいない場合は、他人に語る前にまずは自分に語ってみるのです。

繰り返しになりますが、心の中にあるモヤモヤを言葉にすることに心を軽くする効果があります。実はそれ自体が自分への肯定でもあるのです。自分の中の認めたくない、マイナスな思いをを言葉にすることは、自分の中にあってはいけないと思っている感情を半分くらい認めていることになるのです。では残りの半分はどうやって認めるかというと、他者からの承認、それを経ての自分での承認です。そういう気持ちがあって良い、ということで自分の気持ちを100%肯定することができます。

私がやっている弱さを自分に語る方法は紙に書くということです。紙に書いて行くことで、頭の中がかなり整理されます。さらに、文字で見直すことで客観的に自分の弱さを見ることができるのです。
紙に書くことができれば特に誰かに聞いてもらう必要はなくなります。しかし、どれだけ紙に書いても自分の弱さを語り尽くせない場合は、実際に人に聞いてもらい、そこで受容と励ましをもらう必要があります。それはプロのカウンセラーである必要があります。自分だけで受け止めきれない弱さも人と一緒に受け止めればそれだけでかなりの改善でもありますし、その弱さを持っている自分を認め、許すことができます。

弱さを語ることは自分を強めることになります。人に語らなくても、紙に書くだけでも整理されます。認知療法も紙に書くことで、自分を客観視して考えを改めていく方法でもあります。

紙に書く方法は。怒りも弱さの一部です。「弱い」ということを自分で認められないので、それを自分以外の誰かのせいにしたり、物事のせいにして怒るのです。怒ることが決していけないわけではありません。怒りのエネルギーによってつき動かされて生きることだってできます。ただ怒り続けることは疲れますし、何よりコミュニケーションが難しくなります。いつも怒っている人とは一緒にいたくないのです。

弱さを紙に書いてみることは、考えている以上に効果があります。

弱さを語ることで得られることその6
感情をコントロールする力
自分の弱さを内面で認め、そして人に話す、紙に書き出すということをやることの効果を実感すると、感情のコントロールがうまくなります。

正確には感情はコントロールするものではなく、認めるものです。無理に押さえつけたり、なかったことにして隠すことはかえって逆効果であったりもします。

しかし、自分の弱さに対して、「怒りの気持ちがあっていい」「不安になっていい」と認めることになれてくると、何かの拍子に、フッとその感情が湧き起こってきても「今はそう感じているんだな」と思いのほか冷静に受け止めることができるようになります。

はじめのうちは、その瞬間ではないかもしれません。後から振り返ったときや、イライラしている最中にふと「あ、そうか」と気が付くことがあります。つまり感情に支配されるのではなく、自分の中にある感情を認めることができるようになるのです。それが感情をコントロールするということです。

これは怒りに限らず、甘えたい気持ち、恐怖心なども同じです。ふと気が付くと、嫌なことを考えてネガティブな気分に飲み込まれる。そして無気力になったり、自暴自棄になったりする。そういう状況になるのは、感情をコントロールできていないからではなく、感情を認めていないから起こることです。どんな感情もあってよいのです。その感情を認めることから、真に感情のコントロールができるようになります。

弱さを語ることで得られることその7
他人への肯定
弱さを語り合うことになれてくると、自然と他者への肯定感が生まれます。それは、なぜかというと、それまでゆるせなかった自分の弱さを認めて、人に語り、承認されることで、他人に対しても「ゆるせない」と思う気持ちが弱まるからです。

自分を受け入れた分だけ他人を受け入れることができる。これは人間関係の鉄則です。つまり、自分の弱いところを認めた分、人の弱いところを認められるので、他人に対して、イラついたり、さげすんだりすることがなくなっていくのです。だから人間関係が良くなります。というより、良い人間関係を結ぶことができます。

一方で、弱さでつながれない人間関係に対しては、これまでと違った対応をとるようになります。無理に仲間のふりをしたり、メンツを保つために言い格好をしたり、背伸びするような関係をすることがなくなります。否定するというよりも避けるようになります。

弱さを語ることで得られることその8
希望
自分が認めた弱さの分だけ強くなり、そしてその分道が開け、希望を歩むことができるようになります。誰でも、はじめは弱さを語ることから逃げ出したい、認めたくないというところから始まります。そこを「弱い自分を出せないんですよ」ということが、実は弱さを認める最初の一歩なのです。そして、そこから始まって、できない自分を認めると、また違う自分になることができるのです。

これを繰り返していくとどうなるか?

実は弱さを語り切ると、なんと希望を語り出すのです。

これはカウンセリングで良く起きるのですが、話を聴かせていただいても、初めはとんでもなく辛い状況にあり、ネガティブなことばかり言ってるというのが普通です。それが、ある瞬間(多くは、大きなため息をついたあと)いつの間にか前向きなことを語りはじめるのです。

ネガティブなものが内に側にあるときに語られる希望は、自分をよく見せようとしていたり、誰かを喜ばせるためのものであることもあります。しかし、弱さを語り切る—つまり自分を肯定しきる—ことで、真に自分の内側にある希望を見いだして、言葉にすることができるようになるのです。

弱さを語ることは、希望を語るためのプロセスなのです。


ここまで「弱さ」について書いてまいりました。この弱さの情報公開ということが、まさにあり会の活動にとって重要な位置を占めるものなのです。弱さでつながるコミュニティは居心地がよいのです。よく「居場所がない」ということで、あちこち探したりネットで、仲間になったりしますが、そこには必ず緊張感があります。その緊張感がる状態で弱さを出すのはなかなか難しいのです。

だからどこまで行っても居場所がない状況が続くのです。気楽さ、居心地の良さ、そして居場所のキーワードは「弱さ」なのです。

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