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#017.割り込みのない世界で我々は生きていけるのか

おつかれさまです。「タスクシューター界のジェームズ・ボンド」ことありひとです。

久しぶりのマガジン更新です。

今日はタスクシューターが必ずというほど頭を悩ませる「割り込み」というものについてです。

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きっかけはタスクシュート協会理事の大橋悦夫さんと佐々木正悟さんが主催するスピードハック研究会というオンライン講座。これは毎期ごとあるテーマを決めて、そのテーマに関する10分から20分程度の動画を3ヶ月毎週配信する形式の講座になっている。

直前の第51期は、ゲスト講師が整理収納アドバイザーでありタスクシュート認定トレーナーのくみさん(@mamakoron76)という方。この期のとある回で佐々木さんが発したコメントが忘れられない。

我々は「割り込み」がない世界では生きていけないと思う

このコメントを聞いてまっ先に思い出したのが『風の谷のナウシカ』の原作版だ。

実は『風の谷のナウシカ』は原作がある。映画版しか観たことない人には結構想像しづらいと思うのだが、映画はマンガのかなり序盤のほうだけでまとめた内容になっている。

もちろん映画もすばらしいが、原作も壮大な世界観と哲学的なメッセージが込められた奥深い作品になっている。

未読の方はぜひ読んでほしい。エヴァが好きだったら多分ハマる(まぁエヴァ好きだったら大体読んでるか)。

さて、なぜに佐々木さんのコメントからナウシカを思い出したのか話を戻したいのだが、どうしてもその話をするために原作ナウシカの核心に迫るネタバレに触れないといけない。

ここまで読んで原作ナウシカが未読で今から読みたい!って思った方はこの先注意してください。

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本作では、終盤で現代に生きるナウシカ含めた人類は古代文明人たちが作った人造人間である事実が明かされる(確か、原作内で「人造人間」という表現は使われてなかったと思うが、人工的に作られた存在という意味ではズレてないはず)。

古代文明人たちは戦争や行き過ぎた科学文明で滅びてしまった世界を浄化するためのシステムとして「腐海」を作り、腐海による浄化の間、「中継ぎ」としてナウシカたち現人類を作った。そして自分たちは長い眠りについた(眠り方は忘れた。肉体を捨てて情報だけ残した、みたいなそんな話だった気もする)。

さて、この現人類たちには特殊な細工がされており、腐海によって完全に浄化された毒素のまったくない大気の中では生きられないようになっている。

つまり、浄化が完了するとともに現人類は役目を終えて全滅するように設計されている(更にうろ覚えなんだが、たしか現人類が浄化された世界に適応できるように作り変える技術も残しておいてくれてたはず。ただナウシカはそれを拒絶する、そんな話だった気)

まぁなんともすげえ話なのだが、わたしが佐々木さんのコメントから本作を思い出したのはこの部分だ。

割り込みがない世界で生きられないわたし達とナウシカの世界における現人類が似てるなと思ったのだ。

これは「完全に浄化された世界」と「割り込みのない世界」っていうのが「理想の世界」で、そこで生き残れない現代人がなんとも欠陥品みたいな印象を一見持つんだけど、そこにはなぜか違和感があるっていうところが似ている。

その「理想の世界」は本当に理想なのか?そこに適応できることが人間として本当に幸せなのか、そんな違和感。

例えば、割り込みのない世界っていうのは毎日まったく同じことが同じ順番で寸分なく繰り返される毎日が続く世界なんだろう。偶然もトラブルもハプニングもない。もっと言えば「割り込んでくる他人」がいない世界。

それが望むものなんだろうか。

少なくともタスクシュートはそんな「ディストピア」を想定して作られた道具じゃないと思う。そう思うと「割り込み」を単純にネガティブなと捉えることなくまた別の見方で見れる気がする。

割り込み→ナウシカ→理想の世界という突拍子もない連想ゲームでそんなことを思ったのでした。

今日はこの辺で。ありひとでした。

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