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タスクシュートにおける神話の解体~ルーチン編~ 【ユタカジン】


はじめに

おつかれさまです。

このマガジンは「自分らしい時間的豊かさを追求する」をテーマに、複数のタスクシューターが交代で時間との向き合い方、タスクシュートの使い方、ひいては人生観などを語っていく連載です。

月曜日はわたし、「タスクシュート認定トレーナー」、そして「タスクシューター界のジェームズ・ボンド」ことありひとが執筆を担当します。

さて、今日のテーマは神話の解体です。

多タスクシュート初心者の方の話を伺っていると、タスクシュートにおけるいくつかの神話に囚われているなと感じることが多々あります。

例えば、第7期が絶賛開催中のjMatsuzakisさんと佐々木正悟さんが主催している「先送りせずにすぐやる人に変わる 100日チャレンジ」のコミュニティでも、神話に囚われた結果、タスクシュートを完璧に使いこなそうとして苦しんでしまう方をよく見かけます。

「完璧主義が陥る落とし穴」とも言えるでしょう。

イスラエルの歴史学者であるユヴァル・ノア・ハラリ氏は世界的ベストセラーとなった『サピエンス全史』の中で「人類は神話などの物語を紡いでいくことで、他の動物と一線を画していった」と言う主張をしています。

それだけ、物語というのは人類にとってパワフルな力を発揮するのです。

ただこの物語、どんな時でも人にプラスな影響を与えるとは限りません。

そこに明確な意味や因果関係がなくても、さも意味ありげな物語を勝手に作り上げてしまうのです。

そして、その物語に束縛されてしまい、自分の思考や行動を制限してしまいます。

この現象はタスクシュートにもあると思っています。

そんなタスクシュートにおける物語、どこかで勝手に神格化されひとり歩きしている神話を解体して、より伸び伸びとしたタスクシューターライフの補助線になるような視点が得られたらと思います。

今回のターゲットは「ルーチン」です。

ルーチンの神格化

「ルーチン」とは定期的に実行するタスクを任意の周期で自動生成するタスクシュートのオブジェクトの一つです。

この「繰り返し」の特性ゆえに「習慣化」との相性が抜群。

「タスクシュートは習慣の力を最大限に活用できるメソッドである」と説明できるのも、この「ルーチン」の功績が大きいのは言うまでもないでしょう。

それゆえにこだわりが強く出るルーチン。

習慣化の基本は「毎日の継続」というのは多くの人が知る話。タスクシュートを使って何か新しい習慣を身につけようとすると、多くの人が毎日のルーチンを作成します。

うまく実行できている時はいいのですが、忙しかったりリズムを崩してしまうとそのルーチンが実行できず、罪悪感が出てきます。

朝一、プランを立てるときに「今日は忙しそうだから」と事前にルーチンを削除しておけばいいものを、「でも、どこかでできるかもしれない」とプランに残してしまう。

これが習慣トラッカー付きのツールを使っていて、それなりに連続記録が更新されているルーチンであれば尚更です。ルーチンを消すのにはかなり大きな抵抗が生じるでしょう。

そして気がつけばタスクシュートがスパルタ教師化していき、距離ができてしまう。これがありがちな挫折パターンです。

この気持ち、よくわかります。わたしもできるだけ連続実行記録をリセットしたくありません。

ただ、ここで立ち止まって考えて欲しいのです。

こういう罪悪感に苛まれる時に「毎日のルーチンを規則正しく、完璧に実行できればわたしはすごい人間になれる!」みたいな物語を紡いでないでしょうか。

これがタスクシュート界隈における、作り上げられたルーチンの神話です。

ルーチンは確かに習慣化という文脈において非常に強力な補助機能になり得ます。一方でそれはルーチンのいち側面に過ぎません。

ルーチンのもう一つの側面として、プランの生成を補佐する機能であることを思い出してください。

極論「ログを取るときに、繰り返しやるタスクをいちいちゼロから追加するのが面倒だから、それを勝手にやってくれる機能」なのです。

それ以上でもそれ以下でもありません。

したがって、ルーチンを毎日続けたからといって何者かになれるとか、ルーチンを消してしまったからといって何かよくないとかそんなことは一切ありません。

ただの「プラン自動生成くん」です。いいとか悪いとかないのです。

もちろん、ルーチン連続記録ゲームのように楽しめていればどんどん楽しんじゃんってください。

わたしがお伝えしたいのは、ルーチンを神格化し過ぎないで欲しいと言うことです。

どうしてもな理由があってその日は実行できないルーチンがある、でも習慣トラッカーの連続記録を途絶えさせたくない。と言うことであれば、特別ルールとしてその日をノーカウントしてしまい、手動で実行カウント数を修正すればいいのです。

そうしてはいけないなんてことは、タスクシュート考案者の大橋悦夫さんもTaskchute Cloud開発者のjMatsuzakさんも誰も言ってないのです。

Taskchute Cloud Liteにはデイリールーチンしかない

タスクシュート認定トレーナーのぞえさんが開発している「Taskchute Cloud Lite」には、デイリールーチンしかありません。

例えば、火曜にしか発生しないゴミ捨てのルーチンがあった場合それ以外の曜日では毎朝削除します。

これはツールの仕様からくる必要作業です。
これに心理的抵抗を覚える人はいないと思います。

この「今日はやらない日だから」とルーチンを消すのと「今日はやれなそうだから」とルーチンを消すの、何が異なるのでしょうか。

わたしは何も異ならないと思っています。

繰り返し行うタスクを登録する手間を省いてくれる。プランとして必要なければ消す。ルーチンへの気持ちはそれくらいでいいと思うのです。

神話は他にもありそう

今回は「ルーチン」に関する神話を取り上げてみました。タスクシュートは約15年間クチコミのみで広がった時間管理メソッドです。

様々な方がそれぞれの使い方を発信してくださってるわけですが、往々にして発信の時に使われているタスクシュートは見栄えの良い「かっこいい」ものが使われます。

それゆえに「神話」がひとり歩きしてしまっているものもあるでしょう。

もしタスクシュートを使っていて「なんか息苦しいな」とか「大変だな」と思うことがあったら「これは勝手に神話を作り上げてないか?神話を信じてしまってないか?」って言うのを疑ってみてください。

少し見方を変えれば、肩の力を抜いてタスクシュートとお付き合いできると思います。

今日はこの辺で。
ありひとでした。



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