#011.タスクは恣意的に区切られているし、恣意的に区切ってもいい
おつかれさまです。「タスクシューター界のジェームズ・ボンド」ことありひとです。
先日、クローズな場ではありますがタスクシュート認定トレーナー候補生の方に
「タスクシュート マスター講座」の一部を講師として担当させていただきました。
「タスクシュートマスター講座」とは、今現在最もタスクシュートについて体系的にまとめられ、世界で唯一オフィシャルに確立されたカリキュラムです。
現状β版という位置づけで一部のコミュニティ参加者しか受講できないコンテンツになっているのですが、今年の6月か7月に一般の方向けにリリース予定です。ご期待ください。
さて、この講座を準備、そして実際にセミナーをやっていくなかで自分でも色々と気づきがありました。やっぱり人に教えるというのは最も学びがある勉強法だなぁとつくづく思います。その気づきのなかで今回は「タスクの粒度」について頭を巡らせてみようと思います。
***
実は、この「どの粒度でタスクを登録すればいいですか」という質問はタスクシュートに関するQ&Aでよく聞かれます。
確かにタスクシュートは1分単位でタスクが登録できてしまうので、どのレベルまで分解したタスクを載せるかは迷われるところです。よくわかります。
教科書的には
「セクション」と呼ばれるタスクシュートで設定できる1日の区切りで整理しやすく、かつ取り掛かるハードルを下げるように25分以下で登録する
一方で、あまり細かくしすぎると今度はプランへの登録や記録を取るのがめんどうになり、タスクシュート自体がいやになってしまうので、スモールスタートとしてはざっくりした塊で登録してしまっても全然問題ない
(「掃除」「洗濯」のように分けるのではなく「朝の家事」とひとつのタスクにしてしまう、など)
っていうのが回答になりますし、実際有効な考え方だと思います。先日のセミナーでもそのように説明させていただきました。
これに加えて、本連載を書いていく中で自分のなかでもうひとつ回答があります。
それは「集中したい単位で登録する」という考え方です。
これは#009と#010で書いた内容なのですが、タスクシュートが「イマココに集中しててもいいよ」という安心感を提供してくれるので登録したタスクには全集中できる、そして今の世の中、集中できること自体に価値があって贅沢だよねって話です。
であれば、逆に集中したい単位で登録してみればいいのではと思うわけです。
こう考えると、タスクの単位/粒度はなんでもよくなります。
めちゃくちゃ極端な例ですが、「歯ブラシを手に取って、ヘッドを水に濡らし、口に入れる」までに集中したいのであれば、「歯ブラシを手に取って、ヘッドを水に濡らし、口に入れる」というタスクをタスクシュートに載せればいいのです。
もっといえば「歯ブラシを手に取る」「ヘッドを水に濡らす」「口に入れる」のように3タスクに分けて、ひとつずつ向き合ってもいいかもしれません。まぁ実際ここまでやってしまうとタスクシュートを使うのがめんどくさくなってしまうと思いますが。でも、イメージはそういうことです。集中したい区切りでタスクも区切る。
ちょっと話は広がりますが、そもそも「区切る」という行為はとても恣意的なもので、ぶっちゃけて言えば人間が勝手にやってることです。
自然界のものは基本的に連続的なもので、客観性が求められる科学の世界における基礎言語である「数字」ですら、人間が勝手に区切った単位に過ぎません。
当然「時間」もそうで、突き詰めれば人工的な尺度です。「1日が24時間」っていうのも人間が作った区切りです。言語もそうだっていいますよね。
逆に言うと人間は区切らないと自然界の概念を何一つ扱えないんだと思います。
仕事も同じです。まず「なんかこうなったらいいなぁ」「こういうことが達成できるといいなぁ」というふわっとした欲求が出てきます。それを「目標」とか「ゴール」というカタチに区切ります。
次に「その目標(ゴール)を達成しなきゃいけないお仕事」というものを「プロジェクト」というカタチで区切り、そのプロジェクトを「タスク」というカタチで区切っていきます。
そのタスクってのも突き詰めれば人間の何かしらの動作なわけです。何もしてない人間っていないですよね。ただ止まっていたとしても「呼吸し、動かない」っていう区切りがつけられます。
タスクシュートに載ってくるタスクは連続的な動作を恣意的に区切ったものなのです。何回「区切り」っていうねんって感じですね。
なんかまとまってない気がしますが、「タスクは人間の何かしらの欲求や意図があって恣意的に区切られた動作」ってことと、「だったら自分が心地よい単位で自由に区切ってはいいのでは?」ってことです。であれば、「集中したい単位で区切る」ってのもひとつのアプローチにになるかなと。
今日はこのへんで。ありひとでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?