ai詩　夕暮れのチューハイ

夕焼けが染める　六畳の部屋
窓辺に置いた　チューハイの缶
夏の残光　缶の表面に踊る

プシュッと開ける　小さな勇気
一日の重み　泡に変わる
浮かんでは消える　儚い歓び

梅の香り　ふと思い出す
雨上がりの庭　濡れた梅の実
母の笑顔　「この香りが好きなの」

チューハイ　一口目　喉の奥　ほろ苦さ
二口目　舌の先　ほのかな甘み
人生もまた　苦さと甘さの　綯い交ぜ

外では　蝉の声　遠のいていく
秋の足音　そっと近づく
移ろう季節　変わらぬ味

隣の部屋　赤ちゃんの泣き声
新しい命　この世界に
チューハイの泡　命の輝き　重なり合う

星がまたたく　闇の向こう
明日への道　見えずとも
この一缶が　そっと照らす

最後の一滴　惜しむように飲む
空き缶に残る　香りの名残
小さな幸せ　心の中　いっぱいに

チューハイは空に　思い出は満ちる
夕暮れの部屋　優しい時間（とき）
明日も　きっと　誰かの心に
チューハイの詩　こぼれ落ちる