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アトナンカの上演中止について

この度、名前のない演劇祭4に出場を予定していましたアトナンカですが、上演を中止する決定を下しました。

理由といたしましては新型コロナに関連した
東京都の休日外出自粛要請
お客様と演者の上演・観劇への抵抗感
が挙げられますが、
それとともに重要視したのは作品としての足りなさです。


「農耕民族史B最終講義」の執筆が始まったのは2019年の9月頃。
そこから稽古を経て調整が行われてきました。しかし
新型コロナの感染問題が発生し、社会の様々な面が揺れたのです。

演劇も感染の確率を高める場として不本意ながら注目を浴び、ステージには冷たい風が吹き付けました。この中で演劇は
‟観客と空間を共有していないと成立しない‟と訴えることにもなりましたが大規模な公演なども含め公演の中止、延期が発表され

名前のない演劇祭4でも上演の変更が相次ぎました。

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この期間私は、
外でマスクをしていないと感じる無言の圧力・物に触れてはいけない意識の緊張・買い占め行動の急激さ・『若者は感染のことを気に留めておらず、オジサンやオバサンは過剰に反応して迷惑』というような実体の伴わないイメージがネットを漂う

色合いが急変したことに震えました。




そして「この世間の様子を作品にもっと反映させるべきではないか」
こう思ったのです。その為にも作品をもっと深く再考し、お客様の心の安定も確保された中で農耕民族史B最終講義を受け取って欲しい。


そうしてチームで話し合い、中止の決定を行いました。

アトナンカの今回の中止はネガティブなものではありませんし、負担のある難しい判断でありましたが作品に必要なものであったと捉えています。
作品の姿と受け取られ方の面からよりよい形を選ぼうとしたのです。




「農耕民族史B最終講義」は終わっていませんので、アップデートを経て皆さんの前に立ちたいと思います。その時は是非見ていただきたいです。

よろしくおねがいします。


アトナンカ主宰・ありがとう高橋

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