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一身独立

福沢諭吉さんの著書の中でも、一番有名なものは「学問のすすめ」だが、日本人のいったいどれだけの人々がこの著書の語る真の部分を理解しているのだろうか。

天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといへり

このくだりだけで、この本を語るのは冒涜でしかない。
実際には以下の通りだ。

天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言われている。人は生まれながら貴賎上下の差別ない。けれども今広くこの人間世界を見渡すと、賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。その違いは何だろう? それは甚だ明らかだ。賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ。人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれどただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるのだ

つまり、学問に励んで知識を身につけよ。
ということだが、それには更に深い理由がある。

一身独立して一国独立す

国民一人ひとりが独立した人間であって初めて、国として独立できるという意味だ。
人々が自分で考え行動できること、つまり「一身の独立」を果たさなければ、この日本という国はすぐに倒れてしまう。
国民が皆、国や他人を頼りに寄り掛かったままでいたら、到底そんな生産性の少ない国民を養っていくことは困難になる。
「一国の独立」を可能にするためには、それは国民一人一人が学問を修め、自身の力で独立しなければならないのだ。

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