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漁期の始まりと台風

9月。
いよいよ海苔シーズンが始まります。
8月下旬から海苔漁師モードのスイッチが入りました。
有明海では9月から海苔漁場作りの第1段階、支柱立てを行います。
いざ支柱立て!の気持ちで9月を迎える予定でしたが、台風11号に出鼻をくじかれました。。。
先日から漁船を避難し、台風対策を行い、幸い大した被害もなく台風11号は過ぎ去りました。
今、そんなタイミングで執筆しています。


有明海では、9月から海に支柱を建て始めます。
有明海の海苔漁師は、支柱を建て始める9月から支柱を撤去する4月までを「海苔シーズン」と呼び、撤去を終えてから支柱を立て始めるまでの期間を「シーズンオフ」と呼びます。
支柱は何のために建てるのか。
それは、海苔を育てるための海苔網を支えるためです。


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海苔を収穫している様子のイメージ


上の画像は、海苔網から海苔を収穫している様子。
でも、これはだいぶ先、11月下旬以降の話です。


毎年、海苔シーズンが始まる前に「漁場割」や「地割」と呼ばれる、支柱立てのための起点立てを行います。



そして支柱立てが始まる前に、私が所属している漁業協同組合では漁船のお祓いが行われます。




そしていよいよ今漁期の支柱たて始め!
の予定が、台風のため延期になりました。。。
漁船は避難港へ避難しました。




今日台風11号は大した被害もなく通過し、避難していた漁船も漁港に戻しました。
支柱を立て始める前でよかったです。
毎年のことですが、支柱を立て始めてから台風が来ると、家屋や工場、漁船の心配だけでなく海の支柱の心配もしないといけないので。
台風の被害を受けてせっかく立てた支柱が倒れたり折れたりしたのを目にした時の落胆といったら。。。
支柱を立てるのも疲れますが、手直しも同じように労力と時間がかかります。


そんな海苔漁師泣かせの迷惑な台風ですが、必ずしも悪いことばかりではありません。
台風によって海の中がかき混ぜられ、海底に溜まっていた栄養があがってくることがあります。
海苔はこの海の栄養を元に成長するので、台風や嵐による時化で海が攪拌されることは海苔にとってはいいことなんです。
ありがたい自然の恵みです。


でも、支柱や漁場がめちゃくちゃにならない程度の時化にしてくれ、というのが海苔漁師の正直な気持ちです。。。


昨年は10月3日になんとか支柱を立て終えました。
台風被害や漁船のトラブルもありつつも比較的順調でした。
今年も10月上旬に立て終えるといいな。
↓昨年の記事



いよいよ明日から支柱立て始めます。
今年の漁期はどうなることやら。
気が引き締まります。




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