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外来水草防除活動の広がり

久留米市小森野の水路に繁茂するブラジルチドメグサ。
ここは排水機場の目の前ということもあり、治水面で大きな懸念がありました。

実際、1月初旬の大雨で群落の一部が流され水門に引っかかっていました。ブラジルチドメグサを含む旺盛な繁殖力を持つ外来水草の問題を実感する場所となります。

千葉県では ナガエツルノゲイトウ協働駆除作戦 として、県の事業として治水面の不安要素である外来水草の駆除に取り組んでいます。

しかしまだ私たちの住む福岡県ではあまり注目度の高い問題とは言いきれません。国交省管理河川や自治体によっては問題解決に向けた動きもありますが、そうでない自治体では現状、市民活動による駆除に頼らざるを得ません。

私たちは1月18日、この河川で駆除作業を行いました。この冬に抑え込まなければ、来春にはさらに増えてしまうからです。

ここは県管理の河川だったため、県から駆除活動の許可を頂きました。処分は地元自治体の久留米市が行います。

久留米市は処分用のケースを用意してくださいました。
それぞれの主体が連帯し防除するという仕組みはまだありません。しかしながら、このような形で出来る範囲での協力は有難いことです。

そしてなにより、この日作業に参加した方々はTwitterの呼び掛けに応じて集まってくれた方々です。

先日投稿した 小郡市ブラジルチドメグサ防除活動 もnoteの記事を見た学生が主体となって取り組んでくれました。SNSを通して多くの関心を頂いています。

協力は実際に活動に参加してくださった方だけではありません。活動に必要なウェーダー等の道具を寄付してくれた方、noteを通してサポートしてくれた方、様々な形で協働の輪が広がっています。

SNSを通した呼び掛けで問題に関心のある方々が協力してくれる。防除活動の広がり自体に私は大きな価値があると感じました。

18日の活動は、途中からの降雨で中断となりました。
しかし、大人数での作業のおかげで大半の群落の除去に成功しました。今回は純粋な量だけでなく、陸地に入り込んだブラジルチドメグサが多く、除去は困難を極めました。
皆様の協力が無ければ到底一日でたどり着ける成果ではありません。

除去した量もおそらく1トンを超えました(正確な計測はまだです)。猛威を感じると同時に、当面の脅威を取り除けたことを嬉しく思います。

しかし、あの小規模河川でこの量です。各地に広がる群落はこの比ではない場所も多く存在します。

市民活動では手に負えないと感じます。

今はまだそれぞれ個別の主体の中での協力ですが、今後は県や市町村、市民団体、研究機関など、様々な主体が連帯していく必要があります。

それは難しいことです。しかし私は微かな希望も感じています。

現に、県も、市も、協力してくれています。研究者の方々も個人的にアドバイスをくれます。
それぞれの主体がもう少し歩み寄ってくれるだけで、新しい枠組みはできるのではないかと思うのです。

それは何年後になるかは分かりません。
それまでは私たち自然や生物の愛好家が即応力を活かし、出来る限り抑え込んでいきたい。

問題意識の広がりは単なる外来種問題としての認識だけでなく、治水などの観点から防災に関心のある方々の関心も得、1年で活動の幅は広がってきています。
解決し難い大きな問題ではありますが、草の根の活動が大きな機運に繋がることを信じ、今後も活動に取り組んでいきたいと思います。

そしてなにより、今回は多くの方の想いを実感出来た活動となりました。

ほぼ初対面の方々が集い、活動後は参加してくれた学生たち同士の繋がりも出来ました。
活動を通して問題に対して行動を起こしたいと考える若者たちが集い始めています。私一人には出来なかったことが、繋がりの広がりとともに手の届く課題になってきているのです。

今のような対処的な環境保全のみならず、今後は生息地自体を保全していけるような行動も取れるかもしれません。活動の確かな広がりに希望を感じます。

今回様々な形で協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。

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