見出し画像

〈番外編〉私の不妊治療⑤ 4年経った今

始まりがあれば終わりがある。不妊治療もそう。一旦どこかで終わりがきます。ですが、経験者にとってはある意味これは「ずっと続くもの」なんじゃないかな、と思います。少なくとも私はそう。

2018年に初めてクリニックで受診をして2019年の終わり頃を最後にクリニックには行っていない。そこから4年経っても「終わらない」そんな感覚なのは、なぜなのか?探ってみたいと思います。

検査結果の書類は今も保管している

検査結果、胚の写真、レントゲン、診療明細書… 診療にかかった時の書類は今でも全て保管しています。

私は不要なものは結構捨てるタイプで、物は少ない方。色んな物はデジタルで管理したい派。

さらに当時から引っ越しを3回しましたが、いつも「捨てるリスト」の網をかいくぐり抜けていて、これだけは捨てられません。多分今後しばらくはそうなりそうです。

クリアファイルに入れてます。まぁまぁ分厚いくらいあります。

受精卵も保管し続けている

2018年11月に採卵した時の受精卵が現在13個あり、全てクリニックにて凍結保存しています。

受精卵の凍結保存は、体外受精や顕微授精で受精・発育した受精卵を凍らせて保存しておく方法です。受精卵の凍結は、受精卵を特殊な溶液に浸した後、ストローに入れた受精卵を-196℃という超低温の液体窒素中で凍結し、保存します。

日本生殖医学会HPより

いまだに信じられない技術だなあと思いますが…こういうことなんだそうです👇

-196℃という温度ではほとんどの化学変化が起こらないため、何十年も全く状態を変化させないままで保存することが出来ます。したがって、食品を冷蔵庫で保存する場合と異なり、保存時間が長くなるほど融解して生まれる出生児に異常が多くなることはありません。この方法を用いれば、一回の採卵で採取した複数の受精卵で兄弟姉妹を作ることも考えられます。

日本生殖医学会HPより

時空を超えてるって感じですごい…!(語彙力の無さが泣)

毎年保管更新料を払い続けている

治療中も自費診療(現在は一部保険適用)のため、治療費は一年半で168万円かかりましたが、その後も、この凍結保存をしているので、保管更新料を支払っています。

私の行っていたクリニックの場合、半年ごとと1年間ごとの更新、どちらかを決められるのですが、毎回1年更新を選択しています。(1年間の方が金額的にはお得になっている。)こちら年間88,000円です。(地味にきつい…)

毎年12月ごろに「更新しますか?」の通知がメールでくるので、毎年12月にになると当時のことを思い出します。

あらゆるものを保管し続けている理由

治療のすべてのプロセスの中で「採卵」のフェーズが一番精神的・体力的・金銭的なすべてのコストが一番かかります。いつかもしかしたら使うかもしれない(2人目)と思うと、金銭的コストをかけても保管したい、と思います。

それに…受精卵も検査結果の書類も私にとっては、もうなんだか悔しかったこと・悲しかったこと・嬉しかったこと…何もかもが全て詰まっている努力の結晶」というか、そんな感じのものなのです。

いつかは終わりが来るのできっとこれも「更新しません」を選択する(=破棄する)という時期が来るのだと思いますが、まだ先になりそうです。

人生に大きなインパクトをもたらした

私の人生の大きな岐路になり、価値観もすごく変わりました。これまでの経緯はこちらにまとめています👇

治療したからこそできる経験

妊娠の初期の段階から見ることができたのは、体外受精ならではの経験。毎週の検診時の写真も保存しています。

娘がもう少し大きくなったら、この写真を見ながら必ず「どうやってあなたがこの世に生まれてきたか?」相当な奇跡の中で生まれてきたことを伝えていくのが今の私の楽しみでもあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?