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Poem

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Arimの詩…風のなかを通り過ぎる時、今日はどんな風景が広がるだろう…。それは、林の中を吹く風とは限らない。街の中を吹く風、貴方との境界を渡る風。…詩と歩く。
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2017年7月の記事一覧

草が刈り取られた後に…

草が刈り取られた後に…

草が刈り取られた後に
開いた通路がある

白い花や黄色い花の精たちは
緑色の服を着た葉の妖精たちと
ここから戻っていった

1度足を止め
また来るね、と
通りがかった風に
小さく手を振って
光のトンネルを
歩いていった

Arim
#現代詩 #詩

明日、天気になれ…

明日、天気になれ…

青い色は祈りのように
私たちを包んだ

空が暗雲で覆われた日には
青い色を集めて歩いた
雨の中に
入り込んではいないか、と

小さな花の上に
足跡がないか、と

子供に持たせる傘は
青い色
カバンにサンダルにハンカチに
持ち物のどこにも
青い色を忍ばせて
青いキャンディを探して

画用紙をはみ出し
空のつづきを描く
どこまでも伸びていくように
明日、天気になれ、と
今日は
青い空の歌を歌う

Ar

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Poem) フランソワと名づけてみようか…

Poem) フランソワと名づけてみようか…

道を歩いていると、にわかに
フランソワという名前が浮かびあがる
今日は、最初に出会った鳥に
フランソワと名づけてみよう
可憐な花を見つけたら
フランソワと呼んでみよう

細い道に差しかかり、すると
コータという名前が私を見つけた
では2番目に出会った鳥は
コータと呼んでみよう
次の可憐な花にもコータと呼んでみよう

名指すことによって、変わっていく風景がある
夜の闇に沈む木立を、月明かりの調べが

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