だから、「大丈夫ですか」と聞かないでほしい

2ヶ月近く前、「新型コロナウイルス陽性者との(明らかな)非濃厚接触」を一応会社に相談したら一日仕事休みになった。
今だから書けることだと思うが、復帰後に「大丈夫ですか」と聞かれると、がっかりするようなイラッとするような感じがして、とにかくその状況がとても嫌だった。
当時の状況を詳しく説明したうえで会社から「問題なし」と判断してもらったし(一日の休みは本部に確認を取るための待機)、何より体調は万全なのに「大丈夫ですか」と聞かれても、大丈夫だから出勤してるわけだ。
正直に相談したこちらが悪いことをしたような気分になった。
「大丈夫ですか」と聞くときの表情からは、気遣いよりも「お前、嘘ついてないよな」と言いたげなのが感じ取れた。

仮に周りの人に陽性者との接触があったとしても、その人が明らかに非濃厚接触であるとか、検査して陰性だったとかなら別にいつも通りで良いはずだ。
もっとも検査しても不十分であるのは仕方がないのだが、とにかく「いつも通り」が難しいならもう何も言わずに距離を取ってほしい。
「いつも通り」接してくれる人の頭の中にも、先の話題はあったはずだが、うまく抑え込みながら話してくれていたんだろうと思う。
こういうときは「いつも通り」がとてもありがたく感じたし、それを維持するのは意外と簡単なことではないのだろうとも思った。

ただ、そもそも明らかな非濃厚接触にもかかわらず「一応相談するか」と思った自分こそが気にしすぎだったのかも知れない。

一連の出来事を経験して一つ言えるのは、デリケートな場面において「大丈夫ですか」と声をかけても、受け手にとってはプレッシャーに感じるということだ。
「大丈夫ですか」と聞かれれば「大丈夫です」と答えるしかない。
このやり取りは一見すると何も問題ないように思えても、実は受け手の負担がけっこう大きいのだ。

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