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【第4回】トレーラーハウスの特徴

今回は、「トレーラーハウスの特徴」についてお話したいと思います。

トレーラーハウスを指す言葉として、いろんな表現があります。モービル・ホーム、ハウス・トレーラー、トレーラー・ホームなどなど・・。いろんな表現がありますね。日本では、「トレーラーハウス」という表現が、国土交通省としても定義されていることから、最も一般的になっています。

今回は、「そもそもトレーラーハウスって何?」に対し、下のような3つの観点で記事にしたいと思います。

① キャンピングカーとの違いは?
② トレーラーハウスの定義は?
③ トレーラーハウスのメリットは?

また、このほかに、「トレーラーハウスの歴史は?」「トレーラーハウスの価格は?」という点も気になる方もいらっしゃると思います。これら2項目は、機会を改めて投稿させていただきます。

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① キャンピングカーとの違いは?

トレーラーハウスがよく比較されるのは、なんといってもキャンピングカーです。トレーラーハウスもキャンピングカーも、ナンバーが付いているという点では、法律上は「車両」という扱いになっています。

キャンピングカーは、エンジンがある「自走式」車両であるという点が最も大きな違いです。それに対して、トレーラーハウスは、「被牽引車両」であり、自走ができないということになっています。

② トレーラーハウスの定義は?

トレーラハウスのメリットに行く前に、トレーラハウスの定義について共有したいと思います。
一般社団法人日本トレーラーハウス協会では、トレーラーハウスは下記のように定義されています。

「随時かつ任意な移動性を確保するために、下記の3つの条件が実現されている」ものとされています。

(1) 一定期間定置で使用し、必要に応じて工具を用いずにライフライン等を着脱できること。

(2) 階段やベランダ等をトレーラーハウス側に固定させたり、トレーラーハウスの移動を妨げる柵や塀を用いたりする事なく、設置地から公道に至るまでの移動経路が確保されていること。

(3)牽引して(自走式でなく)支障なく道路を運搬移動できること。引して(自走式でなく)支障なく道路を運搬移動できること。

つまり、車両として認定されるためには、ナンバーを取得するとか、牽引できるという、車両単体での状態のみを見ればよいというのでは不十分で、設置されている状態が適法であることという点が非常に重要であることがわかります。

これを逸脱して設置した時点で、これはトレーラーハウスではなくなるということでもありますので、気を付けたいですね。

車両でなくなると、法律上どのように解釈されるかというと、
 A:建築確認申請を取得して「建築物」となる
 B:建築確認申請を取得しない場合は、法律上は違法設置物となる

上記のいずれかというように解釈されます。

トレーラーハウスの車内では、人が生活することができるため、居住空間としてみなされますが、正常な状態では、任意・随時に移動できる状態を保っており、期間限定での設置であることから、建築物ではなく車両とされています。しかし、その状態を保っていなければ、違法となってしまいますので、適法な状態を維持することが非常に重要となります。気を付けたいですね。

なお、トレーラーハウスには2種類あり、簡単に書くと、「ナンバー付き車両」「ナンバーなし車両」に大別されます。ナンバー付き/なしの線引きは、「車幅2500mm、車高3800mm、車長12000mm」というサイズで、それを超えないものをナンバー付き車両とすることができることとなっています。(第1回「トレーラーハウスとは?」でも記載)

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③ トレーラーハウスのメリットは? 

トレーラーハウスにはいくつかのメリットがあります。列挙しますと・・
(1) 車両のため、建築確認申請が不要
(2) 空いている土地で事業に活用
(3) 短期間の償却期間(4~7年)
(4) いつでも場所を移動することが可能
(5) 工場製作のため、品質確保が安心
(6) 現地工事が少なく、負担軽減

このようなメリットがあります。特に、(1)(2)(4)を統合的に考えると、時限的な事業との親和性が高く、また撤退したときに売却ができるということにもつながります。

また、(3)は投資家や収益力のある事業会社の方には魅力的な投資商品として見られることもあります。

(5)(6)は、建設関係者にとっては、嬉しい点でもあります。筆者自身も一級建築士ですが、一般的な建設の現場管理では、品質確保や自分のイメージしているものとの仕上がりの差異を少なくすることが非常に大変な作業であったりしますが、トレーラーハウスは工場で製造して現地に設置されるため、その差異が極小であり、品質が安定していることは、大きなメリットといえるでしょう。

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今回の記事で、トレーラーハウスについての理解も深めていただけたことと思います。次回以降、別の側面から、トレーラーハウスを詳述していきます。

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