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【都市の経済構造を考えてみる!】(第50回)「4つの力の全体像を把握する!(2)(東京経済圏)」

前回は、東京経済圏のコア部分である東京都の4つの力の全体像を、2011年の産業連関表から確認してみました。盛岡経済圏や仙台経済圏との比較から、その規模の大きさ、とりわけ、稼ぐ力の大きさが印象的で、人口単位あたりでも、大きな違いを感じたところです。

・(第49回)「4つの力の全体像を把握する!(東京経済圏)」
https://note.com/areaia/n/n3ff7a8875fea

今回は、東京都の4つの力の推移を確認していこうと思っておりましたが、前回の投稿で肝心なところが抜けていたことに気づきまして、その追記としたいと思っております。

     

◯ (住民)人口 と 就業者数

と言いますのは、前回の後段で、「人口単位あたりで比べてみた!」としまして、いわゆる人口、住んでいる人の数をもって、東京都、盛岡経済圏(岩手県)、仙台経済圏(宮城県)を比べておりました。

一方で、前々回(第48回)「東京経済圏を設定する!(東京経済圏)」で、東京都の雇用者所得の3割ちょっとが都外へ流出している、と確認しておりました。

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前回では、この部分を考慮することなく、東京都の人口単位あたりの雇用者所得は、盛岡経済圏・仙台経済圏の人口単位あたりの雇用者所得の2倍以上としてしてまっておりまして、ちょっとこれは正しくないな、と。

・(第48回)「東京経済圏を設定する!(東京経済圏)」
https://note.com/areaia/n/n397ca2c05475?magazine_key=m4e87da1b572a

前々回に確認していたように、東京経済圏は、小さくとも、通勤圏である東京都と3県(埼玉県・千葉県・神奈川県)(の一部)、で考えたい、としていました。このあたり、岩手県と盛岡経済圏、宮城県と仙台経済圏の重なりとは、中心都市の通勤圏が、県域の中にあるのか、都域の外に及んでいるのか、で、大きく異なるところです。

ということで、人口単位あたりの雇用者所得を比較するにあたっては、住民人口での比較に加えて、やはり、就業者数での比較も必要だろうと気づいた次第です。

(住民)人口単位あたりの雇用者所得で、東京都は、盛岡経済圏や仙台経済圏の2倍超というのは、確かに計算上ではその通りなのですが、働いている人の実感として、雇用者所得が2倍も違うという実感はないようにも思っています。

     

◯  統計情報を入手します!

ということで、就業者数の統計を入手します。宮城県は、平成23年の産業連関表のエクセルファイルの中に、雇用表というシートがありますね。岩手県と東京都は、同じファイルにはなく、産業連関表をダウンロードできるサイトに、雇用表というファイルが別にありましたので、そちらから確認できました。

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就業者総数は、
  東京都 8.88百万人
  岩手県 0.67百万人
  宮城県 1.03百万人
ですね。東京都の就業者数は、岩手県の13.3倍、宮城県の8.6倍です。なので、東京都の経済規模が、岩手県に対して13.3倍のところまで、宮城県の8.6倍のところまでは、就業者数規模の違い、で考えることができる感じですね。

    

◯ 4つの力を就業者数単位あたりで比べてみた!

ということで、前回から仕切り直して、東京都の4つの力の全体像を、就業者数単位で比べてみます。岩手県、宮城県の数値の右側にある%は、東京都の数値に対する割合になります。上の表は金額総額の表です。2つの目の表が、人口百万人あたりの金額で、この2つは前回も確認していたものです。3つめの表が、就業者数百万人あたりの金額で、今回作成したものです。

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