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【都市の経済構造を考えてみる!】(第48回)「東京経済圏を設定する!(東京経済圏)」

前回は、シンクタンクのレポートにあった図表を、いますこし詳しくみてみました。同じ製造業でもイケてる製造業とそうでない製造業、同じ地方圏でも製造業のイケてる度合いの違いなどなど、いくつもの気づきを得ることができました。

・(第47回)「シンクタンクのレポートを確認してみた!(2)」
https://note.com/areaia/n/nf34e9baa6534?magazine_key=m4e87da1b572a

さて、今回からは、東京圏です。これまでみてきました、盛岡経済圏、仙台経済圏との比較なども意識しながらみていきたいと思っとります!

    

◯ 東京経済圏を設定したい!

まずは、東京経済圏をどのあたりで捉えるか、ということになりますが、結論は、本稿でこれまでみてきた盛岡経済圏や仙台経済圏と同様に、産業連関表が作成されている、作成されていない、といった統計的な制約から、ひとまず、東京都を東京経済圏としてみていくことにしたいと思っております。

産業連関表も、次のサイトに、1985年からだいたい5年置きで2011年までのものがまとまっております。

・東京都産業連関表
https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/sanren/sr-index.htm

    

◯ 東京経済圏について調べてみた!

今回は、せっかくの機会なので、東京という都市圏の範囲について、調べてみました。

・Wikipedia 「都市圏」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%BD%E5%B8%82%E5%9C%8F#%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%B8%82%E5%9C%8F

まず、Wikipedia「都市圏」によりますと、世界4大都市圏としまして、次のようにあります。

国土交通省の東京圏とは東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県をいう。人口は3,562万人(2012年4月現在)。域内総生産(GRP)は1,652,124百万USドル(2012年4月現在)。

東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で、東京圏としています。このあたりがやはり基本になる感じですかね。

   

次に、Wikipedia「東京を中心とする地域の定義一覧」によりますと、1都3県という括りだけでなく、様々な都市圏・経済圏の設定が紹介されています。

・Wikipedia「東京を中心とする地域の定義一覧」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%92%E4%B8%AD%E5%BF%83%E3%81%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%BE%A9%E4%B8%80%E8%A6%A7

こちらのページですと、ほんとに、いろいろな見方があります。それだけ、東京圏は、大きいし、複雑だ、ということなんだと思います。関東大都市圏、東京都市圏、東京圏、首都圏、東京50キロ圏、東京70キロ圏、1都3県、1都6県以上などなど、名称もたくさんありますし、範囲設定もたくさんあります。

ここにある中で、広範囲なのが、「関東大都市圏」ですかね。次のように記載があります。

2015年国勢調査による関東大都市圏は、茨城県・栃木県・群馬県・最股県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県・静岡県の1都8県にまたがる23特別区・132市・55町・5村で構成される。

と思ったら、もっと広域なのがありました。広域関東圏(経済産業省)では、1都10県、さらに、広域首都圏(首都圏広域地方計画)ですと、1都11県 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県、新潟県、静岡県及び福島県、となっています。

・Wikipedia「広域関東圏」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E5%9F%9F%E9%96%A2%E6%9D%B1%E5%9C%8F

調査、制度、法律、官庁などによって、いろんな都市圏の設定がありますが、大きく分けると、距離でわけるもの、通勤など人の交流でわけるもの、物流などモノの流れでわけるもの、と、都県で分けるもの、市町村で分けるもの、自治体の境界に関わらずわけるもの、と考え方もいろいろあります。

     

さらに、Wikipedia「首都圏(日本)」の項目も、詳しいです。

・Wikipedia「首都圏(日本)」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%96%E9%83%BD%E5%9C%8F_(%E6%97%A5%E6%9C%AC)

東京圏で使われている港や空港といったインフラから、都市圏を設定する方法もありですね。

そして、東京都市圏は、「世界最大の人口」規模であり、「世界最大の経済都市圏」であるとあります。これまでにも聞いたことがある情報ではありますが、改めて、東京すげぇー、と思いました。

     

◯ 東京都市圏(都市雇用圏 都市雇用圏に含まれる市町村)

いろんな都市圏の設定がある中で、都市の経済構造を主眼として、東京という都市圏を捉える際に、一番の基本になるのは、やはり、通勤圏かな、と思っております。

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前述のWikipedia「東京を中心とする地域の定義一覧」の中段から「都市雇用圏に含まれる市町村」という欄がありまして、詳しく記載があります。

基本的には、通勤に使える交通網沿線という感じで、新幹線通勤は含まれていないようです。千葉の房総半島側ですと、千葉市あたりまでの通勤が多い感じでしょうか、さすがに、房総半島の方から多数が東京都心部まで通勤しているとは考えにくいところです。神奈川西部や埼玉西部・北部も、同様ですね。茨城南部は、つくばエクスプレスの開業で、東京都心への通勤をイメージできるエリアになりました。

     

◯ 雇用者所得の流出・流入にみるベッドタウン度

通勤圏という面で、東京中心部への通勤者数や通勤率、昼夜間人口比率などいろんな見方がありますが、以下では、雇用者所得の側面から、みておきたいと思います。

まず、東京都です。

(以下で、RESASのリンクを紹介しておりますが、リンクから直接意図した自治体の図表に飛ばない場合があります。その場合は、RESASサイトの右側にあるメニューから、自治体を選択して確認くださいませ。)

・RESAS 地域経済循環マップ 東京都
https://resas.go.jp/regioncycle/#/map/13/13101/1/2015

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2015年に、東京都にある企業が支払った雇用者所得のうち、地域住民に支払ったのが、37.6兆円、地域外への流出として、17.2兆円となっています。およそ31%ほどが、東京都外の方に支払われています。  

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