![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/147589313/rectangle_large_type_2_ec0606de9b209fafbd373f17d80b07ed.png?width=1200)
#4 人生最後の病院実習
皆様お久しぶりです。あーるです。
前回の投稿から3週間ほど期間が空いてしまいました。
以前の投稿で申し上げさせていただきましたように、私は現在看護大学の4年生です。そして、今月1日から国試前最後、「人生最後の病院実習」へ行かせていただいてました。
今回はこの実習で私が悩んだことについてお話ししようと思います。
ここで前置きをさせてください。
この投稿は受け持ち患者さんの情報を流出する意図のある投稿ではありません。プライバシーに最大限配慮して投稿させていただきます。
それではお話しさせていただきます。
受け持ち開始
私は今回リハビリ病棟に実習に行かせていただいた。
4年生とはいえ初めて行かせていただく病棟、終始緊張していた。
今回の実習は今までの実習とは違い、自分で計画書を書いて、そのテーマに応じた看護を行うということが目標の実習であった。
私は認知症の患者さんの受け持ちを希望していたが、患者さんが少なく、違う疾患の患者さんを受け持たせていただくことになった。
そのため、私は「患者さんの不安に寄り添う看護」というテーマで実習させていただくことにした。
受け持たせていただいたのは、Aさん(80代男性)であった。
初日ということで、挨拶をし、少しお話をしてバイタルをとって、学生控室に戻って情報収集をして、初日は終了した。
患者さんへのケア、どうしたら伝わるか
実習5日目。私は悩んでいた。
実習4日目の中間カンファレンスで、指導者さんに「2週間でAさんの印象に残るケアをしてください。でないと、あーるさんの成果として残らないでしょう。もう少し考えてください。」とご指導を受けていた。
どうすればAさんの記憶に残るケアができるだろうか…。
ひとりで悩んでも結論は出なかった。
でも指導者さんに聞く勇気は出なかった。
看護師さん忙しいだろうしという気持ちもあったが、何よりフラッシュバックしてしまわないか怖かった。
これは完全に私情なのだが、指導者さんがご指導くださるとき、口調が母の怒った時にそっくりなのだ。だから病棟で泣いたらいろんな人に迷惑がかかると思っていた。正直怖かった。
でも、先生から「一緒に質問しに行こうよ」とご提案をいただき、怖かったけれど質問しにいった。
先生は実習時間を過ぎているのについてきてくれた。
でも、勇気を振り絞ったおかげで看護の方針が固まって、看護計画をよりAさんの個別性に応じた計画にすることができた。
実習担当の先生ちょっと苦手だけど、この時はありがたすぎるって思った。
患者さんの帰宅願望の理由
受け持ち開始時からしばらく経ち、Aさんは私に対して「家のことが心配だから帰りたい」と表出してくださるようになった。
そして、ある時「看護師をナタで殴って殺して勝手に出ていく」とお話しされたことがあった。
まあ今のADLを踏まえるとそんなことはできるはずはないのだが、私はAさんになぜそのようなお気持ちになったのか尋ねた。
「ここの看護師は理由を説明せずに勝手にやっちまうんだ」
確かに看護師は忙しい。しかもリハビリ病棟のため看護師が少なくさらに忙しい。でもそれにしたって理由を説明しないのは頭にくるよなあ…と思った。
だから私は受け持ち中だけでも、根拠を説明して看護を行おう、そのためにはケアの根拠をはっきりさせようと心に決めた。
患者さんからの嬉しいお言葉
そして、実習最終日。
午前中の最終カンファレンスで看護の評価と実習での学びの発表を終えて、私は「やっと終わる」という達成感で満ち溢れていた。
私は実習が終わる1時間前、Aさんのもとへ訪室。
少しお話がさせてほしいと、デイルームへ誘導した。
Aさん、実は私今日が最後なんですよ。
うん、知ってるよ。こんなパンフレットとかいろいろやってくれてありがとうな。
いえいえ、でも私がいなくなってもパンフレットの内容は絶対忘れないでくださいね。
もちろん、忘れるわけないよ。あーるさんは孫みたいなもんだからな。
俺が元気になったらいつでも遊びに来なさい。待ってるから。
私はAさんとお別れした後、病棟の端で静かに泣いた。
こんなただの看護学生にそんなことを思ってくださるなんて。
人生22年間のたった2週間だったけど、本当に貴重な経験をさせていただいた。勉強は本当につらいけど絶対看護師になろうと誓った。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
国家試験まで約半年。課題は山積みですが、目の前のことに全力で取り組んで、看護師になれるよう日々精進したいと思っています。
今日も自分のペースで生きよう。
あーる
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?