そもそも椅子に興味を持ったのって?その2

つくるひと004

2020年もよろしくお願い致します。

さてうるひとから壮大なテーマが返ってきました(笑)。

有名なアーチストやアスリートが過去を振り返ると
その競技や仕事に進むきっかけになる
華々しい出会いとかあるんですよね。

アイドルとか俳優だと
「お姉ちゃんが勝手に履歴書送ったのがきっかけ」でとか。
ほんまかいなと思いますけど。

自分にはそんな素敵?なきっかけはなくて
成り行きでそうなっただけと言う話です。

20代の頃にアルバイトで内装屋にお世話になりました。
当時日給8,000円位(1990年頃)だった気がします。
大工さんの手元と言うんですかね。
ゴミ掃除とか道具の段取りとか
3時にお茶を用意したり資材の買い出しに行ったりしてました。

その頃おぼろげに「職人っていいなー。」と。

ただ大工さんは大変なんですよ。
監督と打ち合わせをして
施主の要望も聞いて
電気・ガス・水道に建具や左官やクロスやら
すべての職人を差配して
工期はもちろん間に合わせなくちゃいけないし。
もちろん全ての工事の内容を理解していないといけない。
職人の王様なんです。

自分はその「器」じゃないのは自覚していたので
一人で完結できる職人仕事。木を扱う仕事。
で家具職人を選んだんですよ。
どうです?薄っぺらい動機でしょう?(笑)

その後、色々とあって
岐阜県の高山市にある専門学校に2年通いました。

専門学校なんで高校を出てすぐの子達はもちろん
大企業を定年退職した60代のお父さん方もいましたね。
山田洋次の映画「学校」みたいな感じです。

家具の事なんてほとんど知りませんでした。
かろうじて建築家の安藤忠雄くらいは知ってましたけど
いかつい大阪のオッサンくらいに思ってました。
コルビジェなんて全く知らないし
ウェグナーのウの字も知りませんでした。

そんな全く無知でしたけど
今思えばとても幸運だったことがあります。

同級生に大手企業にお勤めだったデザイナーの方がいたんです。

で、出席簿の関係でその方がいつも私の隣の席。
作業台もその方と一緒に使うんです。

本当に物静かだけど優しくて
聞いたら必ずど素人にも教えて下さるし
黙々と作業するんですよ。その方。

入学してすぐに
デザイン系の学校だと必ずあると思いますが
紙とか簡単な素材で立体造形をする授業がありました。

デッサンもまともに出来ない自分の隣で
物凄い紙の立体が出来ていくんです。
もう何か次元の違う格好の良い美しい物が。
その時の衝撃たるや!
恥ずかしくて自分の作品提出するのが嫌でしたね。

小学校の学芸会とアカデミー賞俳優くらいの違い
いやいやインパクトではもっと凄い差というか驚きでした。

ここからちょっと毒を吐きますけど(笑)
専門学校の授業って中には本業で食えないような
胡散臭いデザイナーとかも講師に来るんです。

授業中に自分の名刺を生徒に配り出す人とか
過去の自分の実績を1コマしゃべる人とか。

でも自分の隣には何も余計なことを言わないけど
黙々と作業をするその方がいたので
本当にどんな講義より身になりました。

そこから急に椅子が好きっ!てなる訳じゃないですが
デザインって本当に奥が深い
生みの苦しみ中から出てくるんだなって
考える様になりました。気づくの遅いけど(笑)。

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