壊れるのは困る?
つくるひと 002
ようやく涼しくなってエアコンのない工房も少し快適に作業が出来ます。
先日久しぶりに「うるひと」が関西上陸。
午前中から夜まで、椅子のことデザインのこと
そして芸能まで話っぱなし。
つくる立場からの一方通行な考えを矯正してもらえる貴重な時間です。
気づかないうちに意固地になっていることも多くて
もうこの年齢(48)になると誰も注意してくれないので(笑)
「うるひと」の言葉をじっくりと聞きました。
そんな中、「壊れる椅子は困るよねぇ。」という話がでました。
この場合の「壊れる」には普通に座っていて壊れてしまう事態
そもそもの構造や製作精度の問題で(要は椅子の持つ欠陥)
折れたり外れたりするという事態は
非常にまずいという意味が含まれています。(外村さんそうですよね?)
安定感のある壊れにくい形って
意外に人間の目で直感的に判断できるんですよね。
よく言えば安定している。
悪く言えば平均的とか当たり前の形とか。
目新しさはないけれど普遍的なデザイン。
逆に例えば「カンチレバー」とか
曲線が多用されているデザインだとか
パッと見た瞬間に「?」と感じさせる形。
不安定で大丈夫?って感じるような形とか
極端に言うと三角錐を上下逆転させたデザインの椅子があったら
それはとても目を引くはず。
全てではないけれど
デザインの美しさと
丈夫であることや安定していることの両立はとても難しい。
「うるひと」の目で見て
壊れない。壊れにくい。と
格好いい。美しい。のさじ加減をどう判断しているのか
「つくるひと」としてはとても興味があります。
製作側にも考えや嗜好があるので
デザイン性を追い求める人もいれば
ただただ実直にオーソドックスな形を追い求める人もいる。
日々、木に触れて椅子を作っていると
その素材の怖さもよく理解しているので
なかなか思い切ったことは出来ないのですが
オーソドックスの半歩先位に手が届くといいなと思って
日々精進しております。
ただ言えるのは壊れてもいいやと思って作ってる人はいない
たぶん(笑)。
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