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からむし日記

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からむしの記録。
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#あめつちのあいだ

からむしの記⑤

昨日は曾祖母の七回忌だった。 こういうご時世ということで、曾祖母の息子・娘とその配偶者に…

山のひと

少し時間を空けてしまった。 祖父母と隣り合わせになりながら、薪ストーブを囲んでいたのは10…

からむしの記④

先月は母方の曾祖母の命日だったので、 先日母と墓参りに行ってきた。 幼い私から見た曾祖母…

からむしの記③

からむしの糸苧み、それを用いた織り・編み細工。 祖父母の集落で一番最後まで続けていた人こ…

からむしの記②

「霜がおりたら今年のからむしはもう終わり」 自然の理、当たり前のことが祖父母にこう言われる…

からむしの記①

葉のつき方は互生。 加えて、茎に絶妙にいい感じのねじれがある。 野生のままに生えてるからな…

からむし

「おらほんとこでもやってたぞ」 機織と草木染めの手習いを始めたと嬉々として喋っていたら、祖父がこう言った。 祖父母が暮らす奥山の端(は)の小さな集落。 この辺りは蚕ではなく、からむしから糸を紡いで織っていたというのだ。 から虫、ではない。イラクサ科の背の高い植物のことだ。 祖父が幼い頃には早くも織り手は少なかったけれど、家族の中に達者なひとがいてよく手元を見ていたと教えてくれた。 盆過ぎに時間を見つけて慌ただしくも立ち寄ったときのことである。 あれから数年。 あのとき「