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タイサル!第1話「海外調査の生活拠点」

みなさんこんにちは、サルの研究をしている自称写真家の豊田です。

「タイでサル調査!研究奮闘記」、略して「タイサル!」の第1話は海外調査の生活拠点についてのお話です。私の調査基地をご紹介しつつ、今後の記事の目次のような位置づけでお読みください。


■生活拠点

海外調査における生活拠点は、研究者によって全然違います。歴史の長い調査地であれば、自前で整備した調査基地をもっているところもあります。調査期間が短ければ、近場の宿を拠点にすることもあります。私の場合は、基本長期滞在であること、調査地が国の保護区指定エリアであることから、国立公園野生動植物局の職員が駐在するための施設を利用させてもらうことができます。

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これが、私の調査中の生活拠点である建物です。この一室を、拠点としています。

この建物、タイの国立公園野生動植物局管轄の施設ならどこでもほぼ同じ設計図で建てられているのではないか?と思うほど、建材も間取りもそっくりな建物が各地にあります。

ちなみにインフラは電気しかきていません。


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調査地入り直後の部屋の様子

部屋の中には木製のベッドが5台、あるだけです。あとは物置部屋と、トイレ兼シャワー室があります。それ以外は何もないので、必要な家具は、全部自分で揃えます。

博士研究を始めた2015年から2年間滞在している間に、ちまちまと生活に必要な家具を集めて環境を構築したのですが、2017年に一旦調査を終え、日本で学位をとって1年ぶりに調査地に戻った2018年には、すっかりもぬけの殻になっていました...海外あるあるなお話です。

写真は2019年8月撮影のもの。この調査再開時にはまたゼロから家具の買い直しとなりましたが、環境を再構築したのもつかの間、コロナの影響で2020年2月で調査が途切れ、ついに一年以上が経ってしまっています。
こんなに戻れない期間が長引くと想定していなかったために、調査用品など結構な量の物資を調査地に置いたまま。一応、鍵のかかる部屋に保管はしてありますが...どうなっているのか、心配です。
また全部なくなっているかもしれないし、一年間部屋に閉じ込めたまま雨季を経ているので、仮に無事残っていたとしても、虫だらけ・カビだらけになっているのは容易に想像がつきます...

そんなこんなで、お部屋の中はこういう感じです。

この調査地でどんな生活をしているのかについて、後続の記事「調査地で楽しむタイ料理!食事編」「シャワーも命がけ!?お水事情」などで具体的にご紹介します。

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調査地には犬たちがたくさんいます。ひとりで滞在している私にとって、調査地の犬たちはいつも一緒に時間を過ごしてくれる大親友です。2015年には基地に6頭の犬たちがいました。その後、お別れした犬たち、新たに産まれた犬たち、紆余曲折を経て、今は基地に4頭、近くのお寺に10頭以上にまで増えています。犬たちとの生活については「調査生活のオトモ!タイの犬たち」でお話します。


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この調査基地は、サルたちの遊動域内にあります。ですので、よくサルたちがやってきます。写真はRICOH THETAで撮ったサル襲来時の様子。外にあるものは全部おもちゃにされ、テーブルの上でうんちをされ、玄関が悲惨なことになります。それでも、ここはもともとサルたちの住んでいるところなので、文句は言えませんね。そんなサルたちとの調査生活は「調査の1日のルーティンワーク」「個体識別について」などの記事でお伝えしていきます!


その他、研究で大事にしていることや、調査機材の紹介、思い出やトラブルなど、思い出しながら色々と記事で紹介していきたいと思います。


次回のタイサル!第2話は「調査地で楽しむタイ料理!食事編」です!


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