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【ネタバレ】WHITE ALBUM2 振り返り

 皆様明けましておめでとうございます。2024年もよろしくお願いいたします。
さて今回のテーマですが、シナリオ担当:丸戸史明氏の傑作「WHITE ALBUM2」について語りたいと思います。正直語るというほど書けるかわかりませんが、思ったことを吐き出します。ネタバレしてますので未プレイ者は見ないでくださいね。
 さて本題に入る前に。この作品はあまりにも名作なため、感想や考察といったサイトが無数にあることと思います。私は意志が弱くすぐに他人の意見に流されてしまうタイプなので、今回あえてそういったサイトは見ていません。私がプレイして感じたこととして書きますので、その点ご留意いただければ幸いです。
また私が印象的だった部分だけ絞って書きます。全部が全部強く記憶に残ったわけではないので、そういう部分を雑に書かれても見る方も微妙な気持ちになると思いますので…。なのであらすじ紹介では全然ないです。
ちなみに私がプレイしたのは、Windows10対応の「EXTENDED EDITION」です。なのでSpecial Contentsとしてエクストラエピソード、ミニアフターストーリー、ボイスドラマやデジタルノベルも一通り入ってました。そして(おそらく)全て履修しました。ただ本記事で全ては触れていませんので悪しからず。
 本記事の流れですが、introductry chapterから順に感想を述べたあとに各ルートについて触れます。そして最後にcodaですね。

Introductory Chapeter(以下、"IC")

 物語は春希たちの付属時代、Introductry Chapterから始まります。
春希という主人公、素行不良のピアニストかずさ、柔和な性格の雪菜について知ってもらう導入部でした。そして導入にとどまらず物語は動きます。
 学園祭に向けての即興バンド結成と練習の日々については、なかなか打ち解けないかずさに「なんやこいつ」って思ってました。お人好しな春希と雪菜が可哀想だ、、、と。印象的なのは歯磨きが二人分置いてあることに気づいてしまったシーンです。「うわぁ…」と思った記憶がありますw
学園祭で発表した曲は、シンプルに曲が良いなぁということに尽きます。どの曲も好きです。込められた思いとかそういう考察抜きに曲として好きなんですよね。
 最後はやはりかずさと空港で抱擁する春希とそれを後ろから目撃する雪菜、「After All~」の曲のコンボですよね。雪菜のローファー(?)に涙が落ちるあのCGと曲がマッチしすぎているというか、すごく印象的ですね。
あと彼氏があんなことしたら普通キレるというかもうそんな感じになるでしょうに。こうして考えると雪菜もまたズレた人間だと言うこともできるのかも。終盤にわかりますが、雪菜もかずさもお互いのことをよく知っていましたから、春希はある意味板挟みになって翻弄されたとも言える。ここでハーレムやら羨ましいとかっていうのはほんのちょびっとしか思いませんけどね!wあまりにハードな今後を迎えるとわかっている今では…。

Closing Chapter

 そして舞台は大学へ。千晶・小春・麻里さんという新キャラを迎えて各ルートが展開されます。この各ルートでは雪菜と(一応)恋人関係であるにも関わらず、他のヒロインに流されて(表現に難あり)結局雪菜をフってしまう春希にイラツイてました。お前何なんだよと本気で思ってたのでちょっと嫌いになってましたもんね…。Introductory Chapter最後であんなことがあったので、単純に責めることはできないのですが…。

千晶ルート

 正直初見の印象は「なんでこいつ急に出てきたんですか?春希が大変な時期に急に出てきて何がしたいんだよ」と思っていたので、印象は良くなかったです。がしかし、完走後の今となっては「プレイ前とプレイ後で印象が大き変わったキャラクター」の一人だと感じます。
結局、骨の髄からの役者だった千晶に春希が「振り回されて、流されて」なルートだったんだろうと。身も蓋もない言い方をすれば「人の傷心に付け込んで~」という表現になってしまいますが。
ですが千晶はある意味で「一本芯の通った人間だった」ということでしょうね。春希にベタベタと近づいている時も心のなかでは一歩引いた視点であり、春希の状態と行く末を考えていたということですから。それで春希がどうなろうが…というより自分の望む結末に舵取りしていたような感じですもんね。春希や雪菜、かずさという人間とその関係性に魅力を感じたと。
 結果的に春希の心の拠り所となってのはまぁ間違いではないでしょう。最後の最後、一歩引いた視点ではなく一人の女性として春希を好きになったのはどのタイミングからだったのかはわかりません。が、最後の最後に春希が手を差し伸べ一緒になる結末を迎えた、というのは、春希のそういう性格を表しているのかもしれませんね。

小春ルート

 年下好きの私としては、最初にパッと出た瞬間に好きになったのは小春でした。小春希という表現がぴったりなほど説教臭く、限りなくお人好しな彼女はお似合いだったのではないかと…。個人的にですが。
美穂子との関係がどんどん拗れてきて、果てにはクラス全体に拗れが出てしまった時は心が辛かったですね。体育の授業の着替えでキスマークを見せびらかすあたりはもう完全に壊れてしまった…と。学年の真面目ちゃん代表みたいな子がそんなことするなんて…と。報われないルートだったけど、美穂子と仲直りがすぐには行かなかったあたりは個人的にアリだったなと。何でもかんでもすぐになんとかなるわけないんですよ。かといって一生そのままというのも読者としてはしっくりこないわけでして…
そんなわけで、あの終わり方はアリでした。他の親友2人とも仲良くなったエピローグ(?)は良かった。ああいう終わり方好きですよ。そして春希本人は登場しないという。
ですが最後、雪菜と小春が2人で喫茶店で話終わり、春希と連れ立って喫茶店を後にするシーン。「泣かない」というミッションをコンプリートした雪菜が一人で泣いているあのCGはだめよ。こっちまで泣けてくる……

麻里ルート

 年上は私はストライクゾーンではないのであまり期待せず最後にプレイしたルートでしたが、さすがWHITE ALBUM2というべきか。シナリオの面白さという面で攻撃してきましたね。結構強かった。
仕事人間の彼女と春希の組み合わせは見てて面白かったです。
終盤、春希が空港到着に間に合わないと思ったらまさかの海外で会うというのもまたw嫌いじゃないですねあの展開は。。。その少し前、雪菜と2人で話した後に行動を起こすのも春希らしいというか、、、
「仕事と私、どっちが大事なの!?」を笑えなく重いストーリーに落とし込んだような…そんなルートでした(?)

Coda

 いよいよCodaです。私は初めてCodaに入った時、ストラスブールでかずさと再会した直後にCoda専用OPが流れ出した時に「うわぁまじかよ…そんなのアリかよ…」と実際に声に出してしまった記憶があります。そんなことなかなかないですから…w
どう頑張っても誰かが泣き悲しむことは保証されたような未来に悲しくなっりました。

かずさTrue

 私は最初の方はかずさの印象が微妙でしたが、流石にこのルートでかなり改善された…というか普通にアリですねってなりました。かずさは良くも悪くもそういう人間なんですよね。
最後の最後、春希と2人で日本を後にし海外に移住する結末は納得。春希のやることも、性分に合っていそうでしっくりきました。良いエンドだったなと。とはいえ雪菜がああいう性格とはいえ、あんな終わり方をしたもんだから、からっきし良い気分とは行きませんよね。でもこれがWHITE ALBUM2だよ!って感じがします。

雪菜True

 終わり方的にはいわゆるグランドエンドみたいな感じになってましたね。かずさTrueでは、かずさと雪菜の間にちょっとしたしこりが残っていましたが、雪菜Trueでは2人とも拳で語り合い(笑)円満解決!…に見えるんですが、どうなんですかね。私は頭が悪いのでこの裏に真理として隠されたものがあるような気はするんですが、それが何なのかは思い至りません。
まぁそういうわけで雪菜Trueはこんな終わり方でした。今回雪菜ルートでこんな感じでしたが、かずさルートでこんな終わり方はなかったのでしょうか。2人の性格を考えて………うーんわからない!w
逆にかずさはあんな感じなので、雪菜Trueでよくけじめを付けられたなと(けじめをつけるという表現は微妙ですが)。

【EXTRA STORY】不倶戴天の君へ

 番外編…というかEXTRA STORYのこの話。上では話に出していませんが、かなり好きな話だったりします。
これは確かいわゆる"浮気エンド"のその続きを描いたような話でしたよね。
ざっくりこの話は「雪菜と付き合っていたのに、かずさが奪い取った!と思ったら春希がどんどんボロボロになっていき、私じゃ春希をだめにしてしまう。救えるのは雪菜だけなんだといい雪菜に春希を返し自らは海外へ。しかし壊れてしまった春希を看病し続ける雪菜も徐々に壊れ始め…」
という話でしたね、確か。
この話ではまさしく2人は生涯の親友ではなく「不倶戴天の敵」になっていました。壊れた春希が少しずつ快方に向かい(これがすべて雪菜のおかげではないらしい?)、一方で雪菜が壊れていく…と。
見ていて悲しいですが、正直こういう話嫌いじゃないんですよね。最終的に春希が信じて待っていた…という展開も◎。
雪菜とかずさが電話で大バトルを繰り広げますが、雪菜Trueの2人の生喧嘩シーンは、この電話でのバトルを思い出し比べていましたね。

まとめ

 総プレイ時間は約39時間くらいだったかな。ボリュームが大きい作品だったのと、いつもよりゆっくり進めたので1ヶ月ちょっとかかりました。
面白かったです。そして手放しに大満足の面白かった、でもないんです。
どんな事情があるにしろ、2人の女性に関係を持ったのが春希だしそれが倫理的に糾弾されて然るべきことであるのは避けようがありません。
事実だけ見たらそうなんですが、この作品のすごいところは春希たち登場人物の緻密な心の動きを精緻に描写しているところだと思いました。有り体に言えば「緻密な心理描写」ですね。春希があんなことになってしまうのは、心のなかでこうした動きがあったんだよ、と。ある意味プレイヤーには分かりやすく説明してくれているのかもしれません。
あとは武也と依緒の存在も好きですね。この2人、本当に春希のことが大好きなんだなと伝わってきました。どんな春希になっても気にかけて、成功を願って、身を案じて、叱っているんですよ。最後の最後で2人の関係が匂わされた(というかもう出てますけど)のは良かった。よく考えたら、最後まで2人の関係が不明なままだったらモヤるプレイヤーたくさんいるでしょうから…w
 てなわけで色々と思うところはありましたが、プレイして良かったと思えました。めちゃめちゃ有名な冬ゲー、攻略完了です!

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