去来(自由律俳句)


今にも死にそうな人で溢れた午後だ


太陽に暗い顔照らされて際立つ暗さ


煙草の吸殻の如く意気消沈している


そこで躓いたのはおれだけみたいだ


なんでもない景色が死にたくさせる


なにもできないまま空見上げている 


うなだれた花の真似して俯いていた


立ち止まるおれを追い越していく烏 


ゆくあてもないまま歩き続けている


つまらないものに救われ続けている


ゲーテの一文にも満たない人生だな


等級の低い星ばかり見つめてしまう


二度と明けるなと夜に毒づいている


二度と来るなと朝にも毒づいている


遺書に下書きなんて必要ないだろう


死ぬには惜しいくらいの青空がある


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