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関連法規について



高さ制限

建築士の試験において、関係する高さの制限は、

《 道路斜線 》です。


簡単に言えば、道路の反対側から、住居系1:1.25・商業系1:1.5の斜線が上がっていくものです。
それに加えて、後退距離や適用距離などの緩和規定が絡んできます。

試験においては、複雑なものは出題されません。
実務上は、建物に対して平行に道路があることの方が少ない(?)気がしますし、そんな時の後退距離は、特定行政庁や指定確認検査機関よって法解釈が若干異なる時があるからです。


適用距離は、20m~50mの範囲内で基準容積率によって決められますが、試験においては出番がないです。

斜線

まずは、後退距離についてみていきます。

後退距離は、道路境界線から建物の外面までの距離aです。それが反対側の道路境界側にもあるものとみなし、道路斜線がかかります。

斜線2

試験的には、外壁は柱に対して芯合わせとすることが多いので、後退距離を測定する起点は柱の外面です。

次に、道路幅員の緩和についてみていきます。

簡潔にお伝えすれば、2Aかつ35mと道路中心線から10mです。

大きい方の道路幅員(A)に対して、その2倍の数値と35mのうち少ない方の長さだけ、小さい方の道路(幅員B)の道路幅員がAであるとみなして道路斜線の検討をします。

斜線3

その時、上図の赤色で示した範囲のみが幅員Bからの道路斜線となります。

エスキスの早い段階で、この部分が敷地のどこにあるのかを確認しておく必要があります。

建物の配置計画に先立って、建物の高さに対して必要な後退距離を算出します。計算方法は以下の通りです。

後退距離(a)={建物高さ(H)÷(1.5 or 1.25)-道路幅員(A)}÷ 2

この式は、水平距離と建物高さの比が1:1.5 or 1.25となること、水平距離が道路幅員と後退距離が道路の両側分(2倍)となることから逆算しています。


延焼の恐れのある部分

敷地境界線、道路中心線から1階においては3m、2階以上の階においては5mですね。

試験においては、そんなに難しいもの出題されません。
法解釈については、高さ制限と同様、特定行政庁や指定確認検査機関によって分かれる内容だからです。


高齢者介護施設

「高齢者介護施設」は、法規上の用語ではありません。

「特別養護老人ホーム」「有料老人ホーム」は老人福祉法に規定し、「サービス付き高齢者向け住宅」は高齢者住まい法に規定されますが、「高齢者介護施設」は、法規上の用語ではなく、あくまで、先に挙げたものの総称として使用されたまでです。

この曖昧さによって、具体的な建物の機能に含みを持たせ、学習の的を絞りにくくしています。

ただ、それぞれの施設はどのような規定があるのかについては、試験上は覚える必要はないです。必要に応じて課題文に明記されます。
なぜならば、老人福祉法を始めとする介護施設に係る法律の管轄は『厚生労働省』だからです。
(正確には、高齢者住まい法は厚労省、国交省の共管です。)

一級建築士試験は、国土交通省の管轄なので、管轄外の法律に規定する内容の問題は出題されません。各施設には、室面積やその他設備(浴室等)に規定がありますが、課題文の要求室面積に従えば条件を満たすようにできています。
(高齢者住まい法き規定されるサ高住も同様に扱われると思われます。)(個人的見解)


今回は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございます。

次回は、減点が少ない図面の描き方についてお伝えできればと思っています。

Ohashi




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