赤阪 健太郎

現代木造の可能性に挑戦しています。 製材所から眺めた日本の森林への疑問をキッカケに、森から考えることをテーマにする。 【経歴】 山田憲明構造設計事務所Y.S.D.卒業 Ney & Partners所属 日々の「思考のプロセス」を綴ります。

赤阪 健太郎

現代木造の可能性に挑戦しています。 製材所から眺めた日本の森林への疑問をキッカケに、森から考えることをテーマにする。 【経歴】 山田憲明構造設計事務所Y.S.D.卒業 Ney & Partners所属 日々の「思考のプロセス」を綴ります。

最近の記事

一階の作り方 能登被災地視察を振り返って

能登の被災状況をみて耐震設計について考えたこと。 最近では開放的なエントランスを実現するため、高耐力の幅の狭い耐力壁も提案されていますが、個人的にはこう思います。 木造の耐力壁の壁倍率は強度や初期剛性といった複数の要素から決定されます。 実験では高い初期剛性が見込まれるとしても、現実の建築物として長期間、経年変化に晒されるものがいつまでも固く堅牢な壁であるとは余り思えません。 あまりにも机上の計算に則って必要な耐震壁を狭くしすぎると、柔らかい壁が2階の重量でユサユサと振ら

    • スタジオムンバイの講演会へ

      こんにちは!! 今朝はスタジオムンバイ、ビジョイ・ジェインの講演会に行ってきました(敬意を込めて著名な建築家には敬称略させていただきます!) 土曜日の朝でも流石の超満員。インテリアデザイナーの佐藤拓さんとコラボレーションした、本ならザル本が主題。 印象的だったのが、このオブジェクトが道具箱に納められた、ひとつひとつが「みちしるべ」だということ!! 鳥は都市を測る、ユークリッド以来の道具、亀は世界を背負う神話。。。 そして二つの顔を持つ柱は天地を繋ぐ人という柱。 こ

      • コラム ベトナムの林業と脱人間中心主義

        土曜日なので少し脱線です! みなさまはいかがお過ごしですか?? 私は大学時代一カ月ほど、インドで! 現場をお手伝いした スタジオムンバイのビジョイの講演会に向かっています!!! 今日は先日同僚にもらったベトナムのお札の話。 東南アジアでは古くから、アジアゾウによる木材の搬出が行われていたとのこと。 場所は密林、熱帯雨林の他の木々や生態系を傷つけない方法として、これから先未来の環境の時代にも動物との「共利相生」が大切になると思います。だからこそ、人間中心の価値観を脱ぎ

        • 国宝瑞龍寺の建築空間

          レンタカーを待つ一時間、瑞龍寺の建築空間を堪能しました。 先ず驚いたのがファサード(建築の外壁面)の作り込み、、、 雨戸を開け放つと障子が一マス分見えることが裏から見ると一目瞭然ですね。 開口、障子、雨戸という三つの要素の比率をコントロールすることで、中庭を囲う外壁面がバキバキにデザインされていました!!! そして、中庭を取り囲む回廊と本堂の接続にも内部空間に段差があり、外と内という異なる要素が見事に調和している、、、 内部空間で床の高さにレベル差があり、絶妙に足元から

          レンタカーを待つ僕らを迎えてくれた瑞龍寺の国宝建築

          旅の工程は新高岡駅でレンタカーを借りて能登を目指すというもの。 そこでいきなりのトラブル発生。学生が予約してくれたレンタカーが明日の予約に手違いでなってしまっていました。 当日に振替るには1時間の待ち時間。近くに国宝建築があると知った僕らは、すぐに駅の観光案内所へ。 観光にはもっと時間いりますよと言われつつ、やはり迷ったら行こう!の精神で向かいました。 そして、畑越しに見える瑞龍寺の山門が凄すぎる。。。 後で分かることですが、この伽藍配置は仏様を表すために人体を元に考え

          レンタカーを待つ僕らを迎えてくれた瑞龍寺の国宝建築

          序章 被災地視察に際し心がけたこと

          私はこれまで約10年間木造建築の設計を中心に従事してきました。 住宅から中大規模木造と呼ばれる公共の大きな木造施設まで。しかしそのほとんどが新築の建築物でした。(改築、リノベーションも一部ありました) 今回の能登半島地震で被害を受けた建築物は主に旧耐震と呼ばれる1950年から1981年以前に建設されたものがほとんどだと事前の情報では聞いていました。 過去→現在→未来 今回の視察の目的は「過去を否定するため」でも「現在を踏襲するため」でもないことだけは決めていました。

          序章 被災地視察に際し心がけたこと

          はじめまして

          先日、東北大学の学生ふたりと能登半島地震の被災地を訪れました。 建築が自然災害でどのように壊れるのか、現場を見て、現実を受け止め、設計を考えるための旅に若い復興研究室の学生が同行してくれました。 倒壊した建築、復興予定の明治時代の家屋、美しい能登の自然、舟小屋と入江の穏やかな生活文化。そして被災時に活躍したカフェ店員さんや行政職員の方々との出会い。 私自身多くのキッカケになる旅でした。 そこで撮った大切な写真をアイコンにnoteを書き始めたいと思います。 【直近の投稿予

          はじめまして