構造【荷重・外力/必要保有水平耐力】
構造設計
日本の構造設計は「2段階」
許容応力度計算(1次設計)
「部材の許容応力度」を確認保有耐力計算(2次設計)
「柱や梁の曲げ降伏」「せん断破壊」を確認
保有耐力計算
計算手順
大地震時の水平力に対して「柱や梁の曲げ降伏」「せん断破壊」の確認
建物の「保有する耐力」と「必要とされる耐力」の比較
建物の「保有する耐力」が「必要とされる耐力」を「上回る」ことの確認
「建物が保有する耐力」:保有水平耐力(Qu)
「必要とされる耐力」:必要保有水平耐力(Qun)
地震の大きさによって「2段階」の検討を行う
中地震動:標準せん断力係数(Co)を「0.2」以上
大地震動:標準せん断力係数(Co)を「1.0」以上
塑性変形能力が「高い」:引張鉄筋比(pt)を「小さい」
保有水平耐力:耐力壁の「せん断破壊」が生じた時点の「層せん断力」
※せん断破壊する耐力壁を有する階
※どの程度の力が作用すれば「建物が壊れる」のかを検討
必要保有水平耐力(Qun)
下式で算定
$${Qun = Ds・Fes・Qud}$$
・Ds:各階の構造特性係数
・Fes:各階の形状係数
・Qud:各階に生ずる大地震時の地震力
構造特性係数(Ds)
建物の変形性能(いかに地震力を吸収するか)によって算定する「低減」係数
建物がすぐに壊れる場合:Ds値は「大きい」
「せん断破壊」「座屈」等建物が地震力を効率的に吸収する場合:Ds値は「小さい」
「塑性ヒンジの発生」「全体崩壊形」「曲げ破壊」等
「Ds」の数値
S造:Ds=0.25~0.50
RC造:Ds=0.30~0.55S造の純ラーメン構造の場合
最低の構造特性係数Dsは「0.25」以上のため、他の階に合わせて全体の構造特性係数Dsを「0.3」として保有水平耐力の検討を行ってよい硬い建物:Ds値は「大きい」
βが大きい:Ds値は「大きい」
$${β =\frac{{耐力壁の水平耐力の和}}{保有水平耐力}}$$
※β:「耐力壁の水平耐力の和」の「保有水平耐力」に対する比
形状特性係数(Fes)
「平面的」「立面的(高さ方向)」な形状によって算定する「割増」係数
※建物のバランスによって建物の耐力が変わる
・バランスが良い:Fes=1.0
・バランスが悪い:Fes=1.0以上
※ある階の「偏心率」が大きい場合や「剛性率」が小さい場合は、ある階「のみ」の割増で良い(全体の割増は必要ない)
部材の種別
付着割裂破壊する柱:FD
平均せん断応力度(τu)が「小さい」:靭性能力が「高い」
※せん断破壊が生じる可能性が「減る」部材種別の靭性能力を上げる:「τu」を「小さく」する
※「コンクリート設計基準強度(Fc)」に対する「メカニズム時の平均せん断応力度(τu)」の割合が「0.2」以下
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