構造【鉄骨構造/高力ボルト】

中心距離

  • 高力ボルトの径の「2.5倍以上」

※例題
高力ボルトの径が22mmの場合(M22)
中心距離は55mm(22×2.5) 以上

摩擦接合

  • 高力ボルトの「締め付け力」によって、接合部材の「接触面」に「引張力」を与え、接合部材間の「摩擦力」により「応力を伝達」するものである

  • 部材とボルト軸部との間の「支圧」によって「応力を伝達」するもので「ない」

  • 接合部材間に「すべりが生じる」までは、「高力ボルト」に「せん断力」は生じ「ない」

  • 「接合部の疲労設計」では、高力ボルトに対する「繰返し応力の影響は考えない」、「母材に関する疲労設計のみを行う」
    ※普通ボルトは、繰返し応力を受けるときは使用できない

※摩擦力で応力を伝達する機構により
すべり耐力以下の繰返し応力であれば、「ボルト張力の低下」、「摩擦面の状態の変化」、「すべり耐力の低減」は、必要はない
※振動・衝撃又は繰返し応力を受ける部材の接合部(クレーン走行桁など)に「高力ボルト」を使用できる(高力ボルト以外は使用できない)
摩擦面は,「黒皮・塗料・油・塵挨など」を「除去」して、「浮き錆にならない赤錆程度」とする

許容耐力(径が同一の場合)

  • 「2面摩擦接合(2面せん断)」は「1面摩擦接合(1面せん断)」の「2倍」

  • 2面摩擦接合2本締めは、1面摩擦接合4本締めと許容耐力は同じである

長期許容せん断応力度

  • 1面せん断の場合:基準張力の0.3倍

  • 2面せん断の場合:基準張力の0.6倍

  • 短期許容せん断応力度:「長期許容せん断応力度」の1.5倍

※例題
「2面せん断の場合」の短期許容せん断応力度:基準張力の0.9倍(=0.6×1.5)

許容せん断応力度

  • 「すべり係数」に基づいて定められている

  • すべり係数:0.45(「溶融亜鉛メッキ)の場合は0.4)
    ※「摩擦面の数」によらず、「すべり係数)は、0.45

許容せん断応力度の低減

  • 高力ボルトの軸方向の引張力の大きさに応じて、許容せん断応力度を低減する

※理由
高力ボルトが「軸方向に引張られる」と、接合面の「圧縮力が減少」するため、「摩擦力も減少」し、「すべり耐力が減少」する

最小縁端距離

「せん断切断」や「手動ガス切断」の場合:「自動ガス切断」の場合に比べて「距離」が「大きい」
※自動は精度が高い

摩擦接合においての「肌すきの処理」

  • はだすき量 が「1mm以下」 :処理不要

  • はだすき量が「1mmを超える」:フィラーをいれる

  • フィラープレートの材質:SN400A材(母材の材質にかかわらず)

その他

  • 「アルミニウム合金材」の摩擦接合に用いる高力ボルト
    溶融亜鉛メッキ高力ボルト(接触腐食の対策)

  • 超高力ボルト(F14Tなど)を用いる場合:
    「ボルト本数」を「減らす」ことができる
    「スプライスプレート」を「小さく」できる
    ※ボルト1本当たりの締め付け力が大きいため

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?