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【中国語文法】よく使う呼応の接続詞を例文とともに解説!

今回は中国語の接続詞の中でも、2つの単語がセットになる「呼応の接続詞」について学んでいきます。接続詞は「だから」「しかし」など文やフレーズの関係性を表す言葉のことですが、中国語の場合これを2つの単語で表すことがよくあります。 

こうした表現は会話でも文章でも非常によく使うものが多く、またHSKなど検定の文法問題でも頻出の項目なので、基本的なものはしっかり押さえておきましょう。

呼応の接続詞とは

いわゆる「条件」や「状況」を先に文章の前の方に提示しておき、それに対する「答え」や「意思」を後の文章で表現する構文に使われることが多くなります。

日本語で代表的な呼応の接続表現では、「もし彼女が来たなら、すぐに出発しよう」などがありますが、中国語の場合は最初と2つ目の接続詞の組み合わせパターンもさまざまです。

例えば、最初が同じ接続詞で固定され、2つ目は複数の異なる接続詞の使用ができ、挿入位置さえも変更できるパターンもあります。その一方で、最初の接続詞がなくとも、2つ目の接続詞のみで呼応表現として機能する構文も存在しますし、逆に最初の接続詞だけで文が成り立つ場合もあります。

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「〜だが」を表す呼応の接続詞

まず、最も代表的な「虽然~、但是~(~だけれども、~)」 の構文です。「但是」は、日本語で「しかし」の意味を表す接続詞ですが、同じ意味を持つ「可是(kěshì)」や「不过(búguò)」に置き換えることもできます。 

例文:
虽然我们刚认识了,但是我感觉他能力还不错。
Suīrán wǒmen gāng rènshíle, dànshì wǒ gǎnjué tā nénglì hái búcuò.
私たちは知り合って間もないけれども、彼はなかなかできるやつだよ。  

「〜なので」を表す呼応の接続詞

次に、「因为所以〜」や「由于因此/因而〜」について見ていきます。これらは、日本語で「~(主に理由)なので、~」という表現する接続構文です。

例文1:
因为他工作蛮认真,所以我推荐他来做这个项目。
Yīnwèi tā gōngzuò mán rènzhēn, suǒyǐ wǒ tuījiàn tā lái zuò zhège xiàngmù.
彼は仕事も真面目なので、このプロジェクト遂行には私は彼を推薦する。

例文2:
由于这里的地形,因此我们工程做了很久才完工了。
Yóuyú zhèlǐ de dìxíng, yīncǐ wǒmen gōngchéng zuòle hěnjiǔ cái wángōngle.
このあたりの地形により、我々の工事はとても長い時間を費やしてやっと完成した。

※「因此」は、「因而(yīn'ér)」に置き換えても大丈夫ですが、その場合、少し硬い言い回しになります。

上の例文を見れば分かりますが、「因为」の後には文章(我做得太慢など)、「由于」の後には基本的に名詞(我们的时间など)もしくは名詞句(你做的内容など)が来ます。この点の使い分けは注意しておきましょう。

「〜ならば」を表す呼応の接続詞

さて、「もしならば、~」という仮定条件に対する意思などの導き出しに用いられるのが、「如果~(的话)/便~」「要是~(的话)/便~」)です。

例文1:
如果你能确保预算(的话),那我就可以答应实行计划。
Rúguǒ nǐ néng quèbǎo yùsuàn(dehuà), nà wǒ jiù kěyǐ dāying shíxíng jìhuà.
もし君が予算を確保できるならば、僕は計画の実行にOKを出せるよ。

例文2:
要是你可以接受我的想法(的话),我就给你安排一个好机会。
Yàoshi nǐ kěyǐ jiēshòu wǒde xiǎngfǎ (dehuà), wǒ jiù gěi nǐ ānpái yīge hǎo jīhuì.
もし君が僕の考えを飲んでくれるのならば、君に1つ良い機会を用意しようじゃないか。

 ※2つの例文のように、前部分の最後に「的话(dehuà)」を付けることもできます。初心学習者であれば、会話ではつけたほうが言いやすい場合もあります。また、「就」を「便(biàn)」などに置き換えても意味は同じですが、「就」よりも文語(文章)的になるでしょう。 

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「〜としても」を表す接続詞

すでに説明した「もし~ならば、~」に似ている表現として、「たとえとしても、~」という仮定に対する期待や可能性を表現するものがあります。中国語で言えば、「就算//~」「即使即便)~//~」や「哪怕//~」に当てはまるでしょう。

例文1:
就算你去他那边,也不一定他会答应了。
Jiùsuàn nǐ qù tā nàbiān, yě bùyīdìng tā huì dāyingle.
たとえ君が彼の元へ訪れたとしても、彼が同意するとは限らないね。 

例文2:
就算我家人同意我去国外发展,我还不能离开老家。
Jiùsuàn wǒjiārén tóngyì wǒ qù guówài fāzhǎn, wǒ hái bùnéng líkāi lǎojiā.
たとえ家族が海外に行くことに同意してくれたとしても、私はまだ故郷を離れることはできない。

例文3:
就算他走掉了,那又怎么样呢?
Jiùsuàn tā zǒudiàole, nà yòu zěnmeyàng ne?
たとえ彼が行ってしまったとしても、それがまたどうなのさ? 

※上記3つの例文での「就算」は、「即使(jíshǐ)」「即便(jíbiàn)」にも置き換えられますが、やはり少々堅苦しくなります。 

次に、「哪怕//~」を使った例文ですが、この表現は同じ「たとえとしても、~」でも若干性質が異なり、仮定内容は極端に可能性の低いものや否定的なものが多くなります。 

例文4:
哪怕我失去了一切,也绝不想在这里。
Nǎpà wǒ shīqùle yíqiè, yě jué bùxiǎng zài zhèlǐ.
たとえ私がすべてを失ったとしても、ここには絶対にいたくない。

例文5:
哪怕我明天会崩溃,我还不能放弃。
Nǎpà wǒ míngtiān huì bēngkuì, wǒ hái bùnéng fàngqì.
たとえ明日ボロボロになったとしても、私はまだ諦めない。

例文6:
哪怕我弄不到手,我又无所谓。
Nǎpà wǒ nòngbúdàoshǒu, wǒ yòu wúsuǒwèi.
たとえ手に入れられなかったところで、私は気にしないさ。

 

「〜のに」を表す呼応の接続詞

また、ちょっと変わったところで、「明明/~」を見てみましょう。厳密に言えば接続詞とはされていないものの、同じく呼応により文章内で同じような働きをします。意味的には「明らかに(ハッキリと)のに、~」という皮肉めいた表現に役立つものです。

例文1:
你明明知道我们情况这么糟糕,还不甘心啊?
Nǐ míngmíng zhīdào wǒmen qíngkuàng zhème zāogāo, hái bùgānxīn a?
我々の状況がこんなひどい有様なのは分かっているのに、まだ懲りないのかい? 

例文2:
他明明说今天能来,结果却没来。
Tā míngmíng shuō jīntiān néng lái, jiéguǒ què méi lái.
彼は来られるとハッキリと言ったのに、結局来なかったな。 

その他の呼応の接続詞

ここでは、いくつか面白い呼応接続詞をご紹介します。「~よりはむしろ、~」というような比較表現で使われる「与其不如~」、別の比較表現である「宁可/宁愿也不~」から見てみましょう。

例文1:
与其今天你一个人去玩,还不如来我家玩吧。
Yǔqí jīntiān nǐ yīgèrén qù wán, hái bùrú lái wǒjiā wán ba.
今日君1人で遊びに行くくらいなら、僕の家に来て遊ぼうぜ。

例文2:
宁可今天我一个人都完成,也不愿意别人帮我忙。
Nìngkě jīntiān wǒ yīgèrén dōu wánchéng, yě búyuànyì biérén bāngwǒmáng.
今日全部1人で終わらせるよ。他の人に手伝ってもらいたくもないしね。
※「宁可」の代わりに、「宁愿(nìngyuàn)」に置き換えても大丈夫です。

最期に、仮定の接続詞である「如果」とは異なり、現在の状態に対しての意思や展開を表すのが「既然//~」になります。

例文3:
既然如此,那我就开始吧。
Jìrán rúcǐ, nà wǒ jiù kāishǐ ba.
それであれば、俺も始めるか。
※「既然如此」は4文字で頻繁に使われます。

例文4:
既然你今天做到这一步,也继续努力一下吧。
Jìrán nǐ jīntiān zuòdào zhè yībù, yě jìxù nǔlì yíxià ba.
今日ここまでやったのだから、引き続きもう少し努力してみようぜ。 

例文5:
既然你达到了这么大的目的,你还可以设定更大的。
Jìrán nǐ dádàole zhème dà de mùdì, nǐ hái kěyǐ shèdìng gēng dà de.
こんな大きな目標も達成できたのだから、さらに大きな目標を設定できるよ。

まとめ

呼応の接続詞は英語でもよく使われますが、中国語のものは日本人には非常に学習しやすく、とりあえず暗記して使っても会話で比較的自然に表現できるものばかりです。 

これは日本人が漢字をきちんと理解しており、英単語の暗記をするのとはメカニズムが大きく異なるからでしょう。しかも、呼応のパターンを多く覚えれば覚えるほど、会話の中でよりネイティブらしく聞こえますので、日本人にとっては学習しがいのある部分となります。