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【2022年版】国際的に活躍が期待できる中国のサッカー選手

世界で最も人気の高いスポーツであるサッカー。バスケットボールと並び、中国でもかなり人気のスポーツです。近年、中国ではプロサッカーのレベルアップに本腰を入れており、国内リーグでも各クラブが海外からの指導者や選手を高額なギャラで招聘する傾向があります。

もともと人口の多い中国。スポーツに関しては総合的に良い人材を輩出し続けてきましたが、サッカー選手の知名度に関してはまだまだ高くないのが現状なのです。今回は、国際的に活躍できるレベルを有する中国のプロサッカー選手をチェックしてみましょう。

【2022年版】国際的に活躍が期待できる中国のサッカー選手

张玉宁(zhāngyùníng)

若手ながら、欧州リーグでの在籍経験を持つ張玉寧は、1997年浙江省温州市生まれ。デビュー当時から、ストライカーとしてのポテンシャルの高さを期待されており、若干18歳でオランダトップリーグ・エールディヴィジのSBVフィテッセと契約した実績からその能力のほどがうかがえます。

ポテンシャルは非常に高い https://www.gushiciku.cn/dl/1a81N/zh-tw

その一方で、オランダのADOデン・ハーグへのレンタル移籍までを含めた、欧州時代の2015年から2019年はレギュラーとして活躍できていたわけではなく、自らの故障なども重なって不本意な時期でもありました。

それでも、彼は10代のころからU-17から移籍して現在までナショナルチームに選ばれていることもあり、中国サッカーの屋台骨としての存在感を事実上発揮し続けているのです。

武磊(wǔlěi)

プレーヤーとしては非常に小柄でありながら、スペインのトップリーグであるラ・リーガで中国人として初めて得点をあげた実績を持つ武磊は、1991年生まれの江蘇省南京市出身です。

得点力が大きな武器
https://m.bjnews.com.cn/detail/155048487014517.html

彼の得点力は非常に高く、所属していたRCDエスパニョールへの貢献度は非常に素晴らしいものがありました。2020年のシーズンで、エスパニョールが2部落ちしたことから調子を落としたことはあったものの、中国ナショナルチームのメンバーとしては国際マッチでも地道に得点を重ねている攻撃の要と言えます。

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张稀哲(zhāngxīzhé)

中国ナショナルチームでは、長らく中盤の重要なポジションを担う張稀哲は、1991年生まれの湖北省武漢市出身で、ドイツのブンデスリーガのVfLヴォルフスブルクに在籍したこともある実力派選手です。ただ、当時のヴォルフスブルクには優秀なプレーヤーが多く在籍していたこともあって、出場する機会も恵まれないという不本意な結果に終わっています。

中盤の要的存在
https://www.ppsport.com/article/news/642353.html

彼のプロとしてのキャリアのスタートだった中国国内リーグ・北京国安も彼の実力を10代のころから認めていたこともあり、欧州から中国へ帰国後も再び北京国安に所属してプレーしている状況です。

それでも、欧州サッカーのレベルの凄さを認識させられた彼の存在があるからこそ、中国ナショナルチームのレベルがより確実に向上していく可能性もあるでしょう。

吴曦(wúxī)

攻守ともにチームに貢献できる、1989年生まれの呉曦は、河北省石家荘市出身。ナショナルチームでも、国際試合で得点をあげた実績を持つアグレッシブな選手です。

海外でもプレーを見てみたい
https://www.recordchina.co.jp/b892388-s25-c50-d0052.html

彼のプロとしてのキャリアが花開くのは、2010年に中国国内リーグ・上海申花に加入してからです。ここで、ミッドフィールダーからディフェンダーの中で多様なポジションを経験したことから、移籍した当時の江蘇舜天(2021年に解散済)ではキャプテンとして活躍するまでになり、2020年にはチームをリーグ優勝に導いています。2021年から古巣の上海申花に復帰していますが、海外リーグ在籍を持たないことが唯一惜しまれる選手と言えるでしょう。

刘彬彬(liúbīnbīn)

広東省梅州市出身の劉彬彬は、1993年生まれ。上述の武磊と同じように、決して恵まれた体格ではないものの、所属する中国国内リーグ・山東魯能泰山ではチームからの信頼を得て、フォワードとして確実に点を取ってきました。

小柄なフォワード
https://m.rxbands.com/a/2020030424417.html

ナショナルチームのメンバーとしては、2021年に行われたワールドカップアジア予選でのモルジブ代表との試合ではゴールを決めています。近年、新型コロナウイルスの影響で国際試合が大きく減少したのはアンラッキーな部分でしたが、メンバーとしてはまだまだ若手なので今後さらに良いパフォーマンスを発揮してもらいたいものです。

李磊(lǐlěi)

中国国内リーグで着実にキャリアを積んできた李磊は、1992年生まれの山東省青島市出身。彼のサッカー選手としてのキャリアが大きく変わったのは、2022年にスイスリーグ・グラスホッパーでのキャリアがスタートしてからです。

海外キャリアでより強く
https://sports.sina.com.cn/china/j/2021-12-29/doc-ikyakumx7079286.shtml

それまで、複数の中国国内リーグを渡り歩き、主にディフェンダーとしての実績を重ねてきたこともあって、近年はナショナルチームのメンバーとしても活躍しており、2022ワールドカップ予選のメンバーにも選ばれたこともありますが、今回の欧州リーグへの移籍により、国際試合における彼の存在感は一層大きなものになっていくことでしょう。

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朱辰杰(zhūchénjié)

中国のサッカー界で最も期待されている若手の1人、それが朱辰傑です。2000年生まれで上海市出身の彼は、2018年に上海申花からプロデビューし、その1年後にはナショナルチームのメンバーとして、当時の中国代表監督であったマルチェロ・リッピに抜擢されます。

本番の強さが魅力
https://www.ppsports.com/360news/news/1753169.html

彼の本分はディフェンダーですが、得点力も決して低くはなく、2022年に実施されたワールドカップ最終予選では対サウジアラビアにフリーキックを成功させたことで、その本番での強さを自ら証明しているのです。今後、国際試合では必須のメンバーになっていくと思われ、海外リーグデビューもそう遠くはないでしょう。

颜骏凌(yánjùnlíng)

中国サッカーの代表的ゴールキーパーと言えば、この上海市出身の顔駿凌ではないでしょうか。190センチを超える長身からもキーパーとしてのポテンシャルは十分で、もう1人のキーパーである王大雷(wángdàléiと並び、中国のナショナルチームの守護神としても活躍しています。

守護神の貫禄
https://ja.wikipedia.org/wiki/顔駿凌

ゴールキーパーであるがゆえに、海外リーグでの活躍のチャンスはかなり少ないですが、それでもナショナルチームでは彼の活躍は存分に見ることができ、今後も国際試合では大いに注目すべきプレーヤーなのです。

中国サッカー選手の現状


フィールドでの身体能力は非常に高い

中国のサッカー選手は身体能力を見ると、欧州のサッカー選手とほぼ同じレベルを持つと言われることもあります。特に、ある程度年齢を重ねても若手に引けを取らない抜群の運動性は、中国のナショナルチームにおいて中堅選手が多く選ばれている点を見れば明らかです。

また、体格も欧米人と比べて遜色がないことから、守備においても相手攻撃側の大きな脅威となっており、この部分は中国のサッカー選手の持つアドバンテージだと言えるかもしれません。

中盤で活躍できる選手の育成が必須

さて、中国のサッカー選手の人材育成に関して、1つ大きな課題も存在しています。それは、ミッドフィールダー、つまり中盤で活躍できる選手がなかなか育っていないということです。

中国のナショナルチームが身体能力の高い選手を揃えながら、試合で結果を出すことができないのは、攻撃と守備を転換できるきっかけを作る中盤の選手層が薄く、その育成も追いついていないことが要因であると分析する専門家もいます。

近年は、得点力の期待できる外国出身の中国帰化選手を積極的に登用していますが、決定力不足が否めないのはやはりこの部分が大きくマイナスに影響しているのでしょう。

チーム内での総合力向上がキーポイント

また、 中国のナショナルチーム全体に言えることは、その身体能力の優位性を生かした総合力を向上させることも重要なポイントかもしれません。中国の選手は個人的なアピールを強く進めようとする傾向があるものの、結果的にチームのメリットとして反映されていないケースも見受けられます。

各プレーヤーが本来のポジションに求められるパフォーマンス・スキルを誰よりも追求したいのは理解できますが、時として、本来の仕事とは異なるパフォーマンスをしたり、試合構成の発想を転換したりするなどの臨機応変さは欠かすことができません。

そのため、全体を分析できる選手が確実に増えてくるとすれば、中国のサッカーレベルが一気に上がってくる可能性は十分にあるでしょう。

まとめ

日本人から見ると、まだまだ中国のサッカー選手は関心が低いかもしれません。しかし、優秀な人材は非常に多く、育成の基礎や選手全体のモチベーションが改善できれば、十分に国際舞台でも活躍できるレベルになっていくことでしょう。

実際、身体的な部分では日本の選手よりも明らかに有利であることから、日本の選手も今後はより総合的に差別化ができるように中国人プレーヤーを研究していくことが求められるのです。