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【ドイツ】ケルンのローマ市壁

場所:ケルン市
時代:ローマ時代(1世紀末)

ケルン大聖堂前に残る北門のアーチ

ケルンといえば巨大な大聖堂が有名ですが、実はローマ帝国時代の史跡も市内あちこちで見ることができます。大聖堂のすぐ前(西側)にも、北門の一部だったアーチが残っています。当時は少なくとも9つの市門と、19の丸い塔を備えた長さ約4kmの市壁があったとされ、発掘調査から西暦1世紀末に建設されたと判明しています。

Römische Stadtmauer (下の地図①)
Römerbrunnen (下の地図②)、古代ローマのシンボルの雌狼の石像
Römerbrunnen (下の地図②)
Römerbrunnen (下の地図②)
Römerbrunnen (下の地図②)

市壁で現在も残っている主な遺跡は、ケルン大聖堂から西の方へ延びている大通り沿いにあります。ケルンの中心部からは少し離れているので、ローマ遺跡に興味がない人はほとんど行くことはないと思います。大聖堂から300mほど西へ行ったところの交差点にある「Römische Stadtmauer」、そこからさらに通りに沿って西へ進むとケルン市歴史博物館裏手に「Römerbrunnen」、もう少し歩くと「Roman Townwall」、もっと西に150m行くと「Römerturm」があります。Townwallは歩道脇にあって、現在も分離帯として機能しているので、説明されないとこれが古代の遺跡だというのがわからないかもしれません。

Roman Townwall (下の地図③)
Römerturm (下の地図④)

他にも、街中を歩いていると市壁の断片が残っていたりしますが、さすがに壊して更地にするような無粋なまねはしないようです。ヨーロッパの街では、ローマ時代から中世にかけて造られた城壁や建造物を現代の建物にうまく取り込んで、風景にマッチさせているところがよく見られます。やはり木造ではない、石造りの街並みならではの景観です。ケルン市街地の南のほうにある、聖パンタレオン教会を訪れたときに見つけたものが、まさに市壁の断片でした。説明の案内板などはありませんでしたが、写真を撮って後で調べてみると、まさにローマ時代の城壁の一部(Römerturm Griechenpforte)でした。ドイツは二度の世界大戦で激しく破壊されたためか、フランスやスペインと違って大きな街に残されている古い建造物は少ない印象ですが、探してみると意外にあるものですね。

Römerturm Griechenpforte (下の地図⑤)
ケルン市中心部の地図

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