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構造VE、コストダウン手法【意匠設計者、工事施工者、デベロッパー・不動産会社関係者向け】


 設計が完了し、積算を行った所、予算がオーバーした。このような時にVE、コストダウンが必要となります。

 最初から経済的な設計が出来ている事がベストではありますが、設計段階では設計者の想い、検討時間(設計期間)、度重なる変更などの要因により、思い掛けず、コスト的な無駄が発生してしまう事があります。

 このような時に思いつきで変更を行ってもコストは下がりません。ポイントを抑え、VE、CDの検討を行う事が必要です。構造のコストダウンを行うための考え方を紹介します。

①数量、金額の多い部分を減らす
 数量、金額の小さい部分の仕様を下げても、コストは変わりません。まずは数量、金額の多い部分を減らす、仕様を変えることを考えます。積算書を確認し、数量の多い部分を確認しましょう。

②減らすのではなく、無くす。変える。
 元設計が全く検討違いな設計であれば、再検討を行い、部材断面、配筋を絞ることでコストダウンも可能ですが、通常は大きくコストが下がることは少ないかと思います。
 大きくコストダウンを目指すなら、「減らす、絞る」ではなく、「無くす、変える」との発想による取り組みが必要です。

③意匠計画を見直す
 大きく構造のコストダウンを行うには構造計画を見直す事が必要です。構造計画=意匠計画です。意匠と構造の協力がないと大きなコストダウンは出来ません。構造体が有利になるように意匠計画の変更を提案しましょう。
 設計段階で提案し、断られた提案も再度、行いましょう。コストダウンが必要になった段階では意匠設計者も妥協をするでしょう。

④目標金額を設定する
 構造VE、コストダウンを目的とした再検討に入る前には目標金額、見通しを立ててから検討を行う事が必要です。
 これを行わず、VE、CD案を出し、検討に入っても、結局、目標金額にはならず、更なる再検討と時間ばかり掛かります。
「出来るだけ、コストを下げたい」との目標は一番悪いパターンです。

建築構造の経済設計手法~使える構造VE、コストダウン案50選』として、書籍にまとめました。(PDF、全102ページ)

価格:1,500円(税込)

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 使える構造VE、コストダウン案は具体的な金額を示しながらの実践的な手法であり、構造設計者のみならず、意匠設計者、工事施工者、デベロッパー・不動産会社関係者にも判る内容となっています。


大手ゼネコンが行うような特別な工法を採用するとのものではなく、私が実務で行ってきたVE、コストダウン手法です。


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