粉雪みたいな恋をした。3

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先輩が彼女に振られた。

彼女がいたのは知ってた。学祭終了後、ずっと私のいた【先輩と1番仲のいい1年生ポジション】を取った同期の女子から聞いていた。知った時はショックで仕方なかったが、先輩が幸せならそれで良い、そう思うようにしてノロケを聞いたり、たまにその話にツッコミを入れたりしていた。

振られた理由はよくあるすれ違い。1番最初に話した後輩が私だからなのか、その日から先輩は私に相談してくるようになった。振った側の心理、復縁する方法、彼女がどれだけ好きなのか…

…何で私がこんな話聞いてるんだろ？

好きな人の恋愛相談に乗る。なんて馬鹿馬鹿しい話なんだろう。虚しさを感じつつ、真剣に相談に乗っていた。自分の気持ちを少しでも考えると辛くて辛くて仕方ない。

こんな気持ち、蓋をしてしまおう。

今まで、はっきりと雪の結晶として見えていたこの気持ちは、他の気持ちに紛れて、雪原の中に埋もれてしまって、もう、どこにあるのかはわからない。

つづく

2020.1.30  空友花