読書感想文(43)太宰治『ヴィヨンの妻』

はじめに

こんにちは。笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は太宰治の短篇集です。

・親友交歓
・トカトントン
・父
・母
・ヴィヨンの妻
・おさん
・家庭の幸福
・桜桃

全8篇ありましたが、一つ一つについて詳しくは書かないつもりです。

この本を買ったきっかけは、以前『斜陽』を読んだ時に思っていた以上に良かったからです。
他に読んだ太宰治の作品は、学校の授業で扱われた「走れメロス」はまあ置いておき、大学受験の日に読んだ『人間失格』があります。
当時どんな感想を持ったのかあまり覚えていないのですが、その後しばらく太宰治の本を読もうと思わなかったので、それほどハマらなかったのだと思います。

それが『斜陽』で一転したので、『人間失格』もまた近いうちに読んでみようかなぁと思っています。

感想

この本には前述の8篇が掲載されています。その中でも印象に残ったのは、「ヴィヨンの妻」「おさん」「桜桃」です。他も面白かったですが、特にこの三つです。逆に「父」は難しくてよくわかりませんでした。

「ヴィヨンの妻」はタイトルにもなっているだけあって面白かったです。しかし、何が面白かったのかと言われると、言葉に詰まります。なんだかんだと進んでいくところというか……うーん、自分でも何を言っているのかわかりません。
展開が意外だったと言えばその通りですし、主人公の生き方に何か思うところがあるような、ないような気がします。
なんとかなる、なるようになる、というのも違う気がするのですが、それに近いような気もします。
将来何か行き詰まった時、思い出しそうな気がします。

「おさん」は終始雰囲気が好きでした。内容は全然違いますが、『斜陽』を読んだ時の気分に似ていました。没落していく上品な儚さとでもいいましょうか。静かに散っていく雰囲気がとても好みでした。

「桜桃」も、今はなんと言えばいいのかわかりませんが、将来思い出しそうな気がします。いや、むしろ思い出さないような人生の方が幸せかもしれません笑。それでも人生何があるかわかりませんからね……。
夫婦の会話の場面が、特に印象的でした。こう、探り合っているというか……。その点で言えば「おさん」もその面白さがありました。

あと「母」に出てきた青年は、なんとなく「乞食学生」(『新ハムレット』所収)を思い出させました。だからなんだというと、特にありませんが……笑

「トカトントン」はやる気が出なくなった時の言い訳に使おうと思いました。
「いやちょっと、トカトントンって聞こえてきてさ……」みたいな。
わーい、すごく役に立つ情報を手に入れました!仮病にも使えそうですね!

と、まあ冗談はさておき、そんなこんなで楽しみながら読みました。
ただまだ全然深く読むことができていないと思うので、また勉強してから読み直したいと思います。

おわりに

太宰治は他にも読みたい作品があるので、そのうち読むと思います。
ただしばらくは読まないような気もします。
先日『文豪どうかしてる逸話集』を読んで近代文学に親近感が湧いたので、それらも色々と読んでいきたいと思っています。

というわけで、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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