博物館・美術館の記録(3)「第10回 日展」に行った感想

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今年も日展に行ったので、簡単に感想を記して置こうと思います。
博物館・美術館の記録は三つ目ですが、ここからやっと2024年の記録です。

感想

とても良かったです。
日展は過去の有名人の作品ではないので、素直に観れるのが好きです。
とはいえ、今年で四回目なので少しずつ作家さんの名前も覚えてきました。


吉田定〈木造船'23〉


菊池元男〈風の刻〉

まずこの二作品から。
二年前、緋色の網の絵に心を揺さぶられてから網に注目するようになりました。
この二作品も網の描き方が全然違います。一つ目は一重の網目の上から薄く広く色を塗っており、実際に見た時の印象に近い感じです。二つ目は二重の網目がきっちりと描かれていてリアルですが、裏には朱色を使うことで立体感を出しています。


山田毅〈緋い網〉
ちなみに二年前に心を揺さぶられた網の絵はこちら


福本弥生〈time on the table〉


西房浩二〈Smorzando〉

続いて静物画二点。
一つ目は色の雰囲気がとても落ち着いていて心地良いです。
二つ目は写真だと分かりづらいのですが、静物の質感がとてもリアルで驚きました。


阿部良広〈Silence〉

今年もいるかな〜と探しながら見ていたら、見つけました。
この方は毎年同じモデルさんを描かれていて、いつも横顔が美しいなと思います。ただ、今年はピアスをしていなかったので、一瞬わかりませんでした。
私は人の顔にあまり関心が惹かれないのですが、この方の絵は初めて見た時に妙に顔が印象に残り、次の年に再会した時に喜びと驚きがありました。
来年もあったらいいなと思います。


田中知子〈虚構と現実の間に〉
このイケメンも見覚えがありました。
前はもっと遠くを見ていましたが、
今年はこちらを見ています。
振り向いたイケメン


脇坂郁子〈今様白拍子〉
この方はいつも装束を描かれています。
前はもっと光沢のあるパリッとした着物だった印象ですが、今年は少し柔らかい気がします。
福田あさ子〈瞬く〉
このお人形さんも見覚えがありました。
来年以降も注目です。


尾崎浩美〈森の小道〉
心安らぐ絵です。ずっと眺めていたい。
児玉健二〈御苑の月〉
仙洞御所と月
こちらも心安らぐ絵です。


杉本吉二郎〈ろーじの朝〉
見た瞬間、懐かしい気持ちになりました。


諸井謙司〈晴間への誘い〉
今年彫刻で一番印象に残ったのはこちら。
厨二病感が溢れています笑
下半身のダサさが絶妙です。
紺谷武〈見る人-月のある丘-〉
こちら作者による解説がありました。
丘の上に一軒家がほしいなぁ、
月が上ってきたらいいなぁ、
などと思いながら作ったそうです。
裏はこんな感じ
元々こっちが表だったらしい


江里敏明〈蒼〉
こちらの方は五十年以上ずっと女性を彫り続けてきたが、今年初めて男性に挑戦したそうです。元々女性の曲線美に惹かれていたが、筋肉や関節に惹かれるようになり、女性では限界を感じて男性を造ったそうです。
来年の作品が気になります。
石母田ななみ〈のどけからましⅡ〉
この方はとてもロマンチックな方だそうです。彫刻を見る時は視線にも注目すると良いと教えてもらいました。


宮瀬富之〈書家黒田氏万葉をかなでる〉
こちらはなんとなく良いなと思った作品です。下の部分の雰囲気が好みです。


中村徹〈タカアシガニ〉
日本画で最も印象に残ったのはこちら。
タカアシガニも裏ピする時代です。
村居正之〈STAR〉
この方の絵は見覚えがありました。
なんとなく平山郁夫の絵が思い出されます。


福田季生〈天体観測〉
シンプルに「いいな〜!!」と思いました。
多分、一番左の子が言い出しっぺ。
仲良しグループで高校生最後の夏を過ごしているような感じがします。
天体観測をするワクワクと、
いつまでも続かない青春の寂しさが
同居しているような感じがします。
鈴木一正〈観想〉
こんな素敵なチンパンジーを
見たことがありません笑
まるで恋をしているような……?


池田睦月〈いのち赫く〉
赤と黒、生と死の対比が素晴らしいです。
赤は生命の色だと実感します。


丸山勉〈宿雨(方丈記 日野)〉
この方は去年も方丈記をモチーフに
描いていました。
確かに雨の夜もあっただろうなと思います。
来年も方丈記でしょうか?楽しみです。
太田りかこ〈情動〜Instinct〜〉
工芸部門で一番印象に残ったのはこれです。
鮮烈な緑色。ここまで鮮やかな緑色の絵って他にあまり思い浮かびません。
エネルギーを強く感じた絵です。
寺島利男〈2023-光〉
この作品も見覚えがありました。
こういう幾何学的な絵は結構好きです。
吸い込まれるような感じ。
谷野吉冬〈飛光の旅〉
こういう幾何学的な絵が好きです
内田明司〈天空〉
青と白も見ていて心地良いです。
この作品は曲線やぼかしの美しさや構図が
好みです。

おわりに

かなり長くなってしまいましたが、印象に残ったものの中からさらに厳選してまとめてみました。
来年も楽しみです。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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