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博物館・美術館の記録(1)「時を超えるイヴ・クラインの想像力−不確かさと非物質的なもの」(金沢21世紀美術館)

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

最近、読書以外の感想も書き残しておいた方が良いなと改めて思ったので、今年から博物館や美術館の感想文も書いておこうと思います。

まず一つ目は金沢21世紀美術館の「イヴクライン展」です。
年始早々行ってきました。
多くの作品の写真は撮れなかったので文字だけになりますが、できる限り思ったことを書き留めておこうと思います。

というふうに始まるこの感想文ですが、実は一年前に書いたものです。
下書きに眠っていたので供養します。
そして、今後はこういう感想文もきちんと残していきたいと思っています。

感想

とても良かったです。
最も印象に残っているのは〈人体測定プリント〉です。
裸の女性が自身に青いインクを塗り、紙にスタンプのような痕を残します。
これが印象に残っているのは、戦後、存在の不確かさや偶然性から唯一確かな自分の身体を使ってアクションを表現しようとした、との解説があったからです。
その説明だと、そもそも自己の肉体が確かなものと言えるのかという、デカルトの哲学の問題にぶつかりますし、それを表現した絵という具体物も不確かなものとなるので、あまり腑に落ちませんでした。
また、これはイヴ・クラインが日本を訪れた際に魚拓や原爆の「死の人影」を見たことが影響しているとのことです。
ちなみに金の単色も日本の屏風の影響があるとのこと。
また、アクションについては日本で学んだ柔道(身体と精神)が影響しているとのことでした。

人体測定プリントのシリーズに入るのかわかりませんが、〈空気の建築〉という作品も印象的でした。これは恐らく空気が青で表現されており、その余白で物の形が作られていました。

もう一つ、イヴ・クラインの作品で印象に残っているのは〈青い雨〉〈ピュアブルーピグメント〉という作品です。


これは油絵具に使う顔料がそのまま使われています。
雨の方が時間と空間の持続を表していることは解説を見ずともわかりました。
ただ、イヴ・クラインが青以外の色が次元を持っており、一方青は抽象的で次元を持たない、超次元的であるという解説があり、これはさっぱりわかりませんでした。
イヴ・クラインが青に惹かれたのは空が原因という解説もあったので、色々な様を呈する空からそのように考えたのでしょうか。

イヴ・クライン以外で最も印象に残ったのは、ハルーン・ミルザの〈青111〉という作品です。
こちらは北欧の巨石建造物かま111㌹で共振することから着想を得て、111㌹の三つの音(?)と111㌹の青色の光で儀式的空間を創り出していました。
ただ、今書きながら111㌹の音が三つあるってどういうことだろうと思いました。それぞれ違う単音で、場所によって音が重なり合ってうなっていました。音の高さは振動数で決まるはずなので、全て同じ振動数で違う単音になるのはおかしい気がします。私が何か勘違いをしているのでしょう。

あとはルーチョ・フォンタナの〈空間概念の探求〉や元永定正の〈水〉という、天井のビニールの筒に色水を浮かべた、空間と色彩の関係を探求した作品も印象的でした。

おわりに

結構長くなってしまいました。
感想文って書くのに結構時間がかかるんですよね。
けど時間をかけるだけの意味もあると思うので、サボらずにきちんと書いていきたいと思います。

と、書いていますが、投稿を一年以上サボっていました。でもまあ始まったからよしとします。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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