『い』 いい人の末路は悲惨

『いい人の末路は悲惨』

新垣結衣のドラマ「獣になれない私たち」で、松田龍平が新垣結衣にお兄さんのことを話すセリフ。お兄さんはいい人で、他人の借金の保証人になって、会社は倒産し、家族とも疎遠になって...。同じくいい人の新垣結衣も、会社でなんでも押し付けられて精神的にしんどくなっていく…みたいな話。

このセリフ、めちゃくちゃ心に刺さった。

何故なら私は自分をいい人だと思っているから。

いい人なのに、なんで末路は悲惨にならないといけないのか?
人のために、自分を犠牲にして、頑張っているのに、なんで?
いい人は、幸せになるに決まっているだろう。いや、ならないといけない。

少し前まで、誰が何のためにやっているのかわかならい看護研究に追われていた。
簡単にいうと、病棟ごとに毎年、テーマを決めて、こんなことしたらこんな結果でしたというのを発表する。

始まりは4月。後輩がメインで看護研究を担当することは決まっていた。
ちょうど病棟の師長が交代したタイミング。
新しい師長の横にたまたま居たのが私。
「○○さんがやるのは聞いてる。あとは?誰がフォローする?」
「去年やった3人の中の誰かが、、、」
「あなた、聞いて。」
「嫌です、私、やりませんよ、もう。」
これは聞いた後輩からの言葉。

「誰もやりたくないみたいです、師長。」
「じゃあ、どうするの?1人では無理でしょう?」

「、、、やりましょうか、私。」
「メインはやってもらって、フォローしてあげて。」

私は年下の先輩を2人誘って、4人の看護研究チームがここに結成された。
結成された、確かに。
グループLINEも作って、とにかくやりましょうと送信した。

初めは、みんな「頑張りましょう!」と返信もあったけど、
月日が経ち、、、通常業務も行っている中、誰も看護研究について口にしなくなり
提出期日だけが迫ってきて、師長は私にばかり聞いてくる。

計画書作成、修正、アンケート作成、修正、研究資料作成、修正、アンケート集計、抄録作成、修正、パワーポイント作成、修正、発表原稿作成、当日発表。

何これ?
メインだったはずの後輩は、いろいろあって10月には離脱、、、
夜勤でも休日でも頭から看護研究のことが離れない。いつまでに抄録提出ね、いつまでにパワーポイント作ってね、いつまでに資料をUSBにコピーしてね。

何で、私なん?
いつから私、メインなん?
って言うか最初から私しかやってない!

グループLINEは既読はつくものの返信なし。
年上だけど後輩という立場から、やってくださいと言えず。。。
発表当日もパワーポイントが映らないと言われ、修正して、練習して。
発表の時に、先輩にパワーポイントの操作をミスられて、
原稿とスライドがうまく合っていなくても、
「ありがとうございました、大丈夫です。終わって良かったです。」
しか言えなかった。

心では「何で私だけがやらないといけないの!」と思っていたけど、
みんな「ありがとう、頑張ってくれて。」なんて言ってくれたし、まあいいか。
うん、私っていい人……

やり切った感に浸っていたら師長が
「来年もやる?同じテーマだし」
「え?いや、、、はあ、、、まあ、、、同じですもんね、、、」

ある時、何の気なしに患者さんに「私って他の人よりいい人やろ〜」と聞くと

「……そうでもない。」

ええええええええええっ!!!!!!!!!

いい人の末路は悲惨、、、、、、、
私には関係なかったようだ。
そもそも本当にいい人は他人にいい人かなんて確認しない。

それからすぐ師長に
「嫌です、私、絶対やりませんから。」

私はいい人じゃなくていい人に思われたいだけなのだ。

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