溢るる自信と高揚が微笑む
「ゴッドファーザー」を久しぶりに見た。
マイケルが初めて人を撃つシーン。
撃たれた男がテーブルに頭から落ちるあの勢い。あの役者さん、怪我しなかっただろうか?凄い迫力だ。
あとアルパチーノが目を見開き相手に迫る表情。
あの迫力にとても惹かれる。
そんなことを考えながら今日も80キロ程ロードに乗った。寒いから最初からけっこう飛ばし、なるべく心拍数を下げないように漕ぎ続けながら浮かんだ唄。
不敵な微笑み
堪えきれない 腹の底からわき上がってくる まるで獅子の唸り声のようでもある 不敵な笑み
それは正に自信の表れ
誰にも負けない 誰にも止められない お前自身にも押さえ切れない自信の表れ
その自信は相手を圧倒し 怯ませ 怯えさせ 確かにあったはずの 相手の自信を削ぎ落とし 相手の目の奥の狼狽もまた押さえ切れなくて 相手が失った以上に お前の自信は輝きを増し
瞳孔が力強く開く
相手の瞳の微かな震えも見逃さないどころか
全てを圧倒するお前の 鬼気迫りながらも 冷静であり張り詰め 瞬時に豹変するであろう気配がありありと漂う表情までも映っているのが見える
鼓膜の張りをも掌握し
相手の鼓動が地面を伝い 鉢植えにしては大きいオリーブの葉が擦れる音が聞こえることに何の驚きもなく
何故か嗅覚を感じないのは
嗅覚は何かの痕跡や 目に見えぬ危機を察知するものであり 目の前の相手に全身全霊集中し もはや支配しているお前には必要としないものなのか
若しくは嗅覚に必要とするエネルギーを別のところへと一時的に移行しているのか
若しくは今この瞬間のお前にとっての有益な嗅覚情報 有害な嗅覚情報が皆無なくらい お前の状態が仕上がり 究極的な臨戦態勢であるから 嗅覚を必要としないのか
無駄に心拍が高いこともなく 良質な酸素を全身に漲らせ 顎の下で軽く重ね合わせた両手を組み直すその動作一つにしても 究極的に無駄の無い 正確なものだ
それらの感覚全てが
お前の漲る自信を高め続け
精神的にも精密的な高揚感を維持し続け それでも尚止めどなくエネルギーが腹の底から沸き上がり
喉の奥の増幅された空間にて 暖気が完了したアイドリングのような 凄味と沈着に満ちたそれが
軽く開き 軽く歪んだ唇の隙間から漏れる
不敵な笑みを湛える今のお前を阻むことが出来る者など皆無
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