「劇場版:友達から聞いた面白いゲームの話」としての「ニノ国」~あるいは、こんなタイトル③~
おはようございます。日本人に結局本当に合っているエナジードリンクは「リポビタンD」だよなぁって実感する今日この頃です。モンスター飲むと最近頭が痛くなります。あらいです。
今日はいろんな意味で話題になってしまっている「二ノ国」という作品について書いていこうと思います。
とりあえずあらすじと基本的な情報
例によってネットで拾ったあらすじです。今回はネタバレなしでいくので未見の方のためにもまずはこちらをどうぞ。
冷静沈着で車椅子のユウ、バスケ部の人気者のハル、ハルの恋人コトナの3人は幼なじみの親友。ある日、突然襲われたコトナを助けようとしたユウとハルは、現実世界と並行する魔法世界「二ノ国」へ引き込まれる。ニノ国で出会ったもう一人のコトナ、アーシャに惹かれていくユウは、コトナの命を救うためアーシャの命を奪おうとするハルと敵対することに。“大事な人の命”をかけた究極の選択が迫る時、ユウとハルが下した決断とはーー?
そして、今回は制作陣がとにかく豪華です、ジブリの制作スタッフが参加、売れっ子声優多数起用、構想10年、音楽は久石譲、
一つ言わせてください。
こんなに要素が豪華だったらそりゃあ期待値上がりますよね。僕もわっくわくしながら映画館に向かったわけですが...
二ノ国はなぜ微妙か
はじめにとっても残酷な前提を皆様と共有しておきましょう。
この「二ノ国」という作品のパブリックな評価は
「駄作!!」
「二時間の苦行!!」
「ドラゴンクエスト ユアストーリー超え!!」
(最後のに関しては僕はユアストーリー未見なのでなんとも言えませんが)という感じで、概ね残念な感じになっているのが主要なSNSで「二ノ国」と検索するとわかります。
なぜ、そんなに微妙な作品になってしまっているか?
という問いの答えとして、このコーナーの軸となる改題案を提示したいと思います。
この映画を鑑賞してその話運びに僕が思ったのは、「なんか友達からアニメとかゲームの話されてるときの脳内映像みたいだな」ということです。かみ砕いて説明していきます。
人伝いに聞く面白い作品のあらすじあるある
誰しもが誰かからおすすめの物語作品のあらすじを聞く経験というのはあることと思います。中には例外的にめちゃめちゃ面白く作品をプレゼンするような人がいるかもしれませんが、全員がそういうスキルを持ち合わせていない。そんなシチュエーションで起こりがちなことや、使われがちなことがあります。
お話を進めて行くにあたって、あるいはそのお話に人を引きつけるに当たって、重要となる要素の一つに、「伏線」というものがあります。これは特に映像作品の場合、口頭で正確に説明するのはほぼ不可能です。だから、このような言葉が多用されることになります。
「(何かキャラの容姿や性格を説明して)で、そいつが実はー...」
「(物語世界の設定を説明して)これがめっちゃ大事な設定で~」
「で、この出来事が後で絡んでくるんだけど~」
このように口頭でしゃべるとその伏線は速攻で回収されるか、めちゃめちゃ説明的になるかなのです。
おっと、慌てないでくださいね、これはまだあくまで二ノ国がどうこうじゃなくて「口頭で面白いお話を聞くとき」のあるあるですよ。
何か物語を一つ読んだだけで、キャラデザの横に書いてあるような設定資料みたいな説明を各キャラクターについてできる人なんてそうそういません。1,2回みた程度ではそのキャラクターのざっくりとしたイメージをつかむことに終始してしまうのが、普通の人間の限界だと思います。
だから、
「ハル君を見ていると終始イライラする」
「あのほら、立場は反対の二人が同じ女取り合うみたいな、コードギアスっぽい感じ?」
「とりあえず、猫に襲われてたら助けるじゃんね」
みたいな感じになっちゃうんです。
おっと、だからこれはまだ二ノ国の話とは誰も言ってませんってば。
話を戻すと紹介した三つの話し方の特徴は「キャラクター印象はざっくり」「〇〇っぽい感じで伝えがち」「行動動機が単純に見えがち」です。あくまであるあるです。
大体映画というのは二時間ぐらい、アニメならワンクール6時間程度の作品が多いですが、人から1作品について聞くのはせいぜい10分がいいとこですよね。
これ、やっぱりそもそも圧縮するのが難しいんです。当たり前のことなんです、でもそれでいいじゃないですか、人の話はお金を払って聞くものじゃないですし、気になったらその作品を見ればいいですしね。
例えば、あくまでたとえですけど、数十時間かけてプレイするようなお話を2時間に圧縮するような映画化の企画があったとしたら「無理でしょ」っていいますよね。
ここまで読んでくださった方はおわかりかと思いますが...
はい、ここまで僕のあるある紹介に付き合っていただいてありがとうございます。茶番はおしまいにしましょう笑。
これら3つの特徴をすべて持っているのが「二ノ国」という映画の「お話」です。
おそらく上記の要素を持っているので
「最近、二ノ国っていう面白いゲームやってさー、そのシナリオがまじでおもしろかったのよ」
から始まる友達の話を聞いているような感覚に陥るんだと思います。
もちろんいいところもたくさんある
ここまで散々な書き方をしてしまったかもしれないので、一応フォローもしておこうと思います。
ジブリっぽいタッチ×異世界転生みたいなものの相性の良さはあまりフィーチャーされてこなかったし、ジブリクレジットの作品じゃないからこそ見れるいい試みだったのかなと思います。酒場のシーンとかわくわくしますよ。紅の豚×RPGみたいな感じで。
あとは個人的なMVPは宮野真守さんに差し上げたいです。永野芽郁さんの演技もいろんな意味で話題になっている今作ですが、宮野サンの演技は圧巻です。やっぱ声優さんってすごい。長台詞の中の息づかいのリアリティが半端じゃなかったです。一見の価値あり。
ということで今回は「二ノ国」もとい、
「劇場版:友達からきいた面白いゲームの話」のお話でした。ほんといろんな意味で鑑賞後に黙ってられない映画なので、見た方ここにコメントでもツイッターにリプライでも是非語らいましょう。ではまた。
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