大人に成るということ

大人かどうかということは自己肯定感に密接に関わりがあります。ここでいう大人は実年齢が高いかということではありません。成人年齢に達しているか、働いているか、家庭を持っているか、被保護者を養っているかということでもありません。他の存在を尊重し私的な事柄を無闇にあらわにしない状態のことです。一言でいうと精神的に自立している状態のことを言います。

人は最初はみな子供です。子供は世界が自分を中心に回っている/回ってほしい考え、自分の思い通りに物事が進まないと癇癪を起こします。年齢が進むにつれ社会との関わりが増え(主に学校教育)、二次性徴と反抗期を経ることで大人になっていきます。多くの場合中学生くらいでどうやら世界が自分を中心に回っていないと気付き、大きなショックを受けます。そこから立ち直るための原資となるのは親からの愛ですが、親から正しく愛された子は、世界の中心が自分でなくても良い、自分はあるがままの自分のままで価値があるんだと考え/感じ、自己肯定感の獲得に至ります。主観展開としては以下のような流れです。

自分が世界の中心ではない・・・!

世界には自分と無数の他者が存在するらしい

自分と他者は別の存在なんだ
(自己同一性の獲得、自他境界線の設定)

世界に自分が存在していいの?

そういえば私は親から愛されていた、存在を認められていた、
あるがままの自分を認めてくれていた

自分はあるがままでいいんだ

自分は自分にとってかけがえのない存在で、
他者は他者自身にとってかけがえのない存在なんだ
だから自分は他者を無闇に傷つけてはいけない
(他者尊重意識の獲得)

自分は自分を大切にしたいが他者が自分に対してそうとは限らない
だから自分は他者に依存せずに、自分で自分を幸せにしなければならない
(精神的な自立)

上記の通り自己肯定感の獲得には過程が在りかつ必要で、獲得するとあわせて自己同一性、自他境界線、他者尊重意識、精神的な自立なども得られます。他者を尊重するので当然私的な事柄を無闇にあらわにしなくなります。こういった振る舞いを大人な振る舞いと言います。つまり大人に成ることとは自己肯定感を獲得することとも言えるわけです。

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