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「なぜ、ご結婚を?」

好きな人たちが結婚した。

好き、といっても一方的で、いつも画面越しで見ている人たちだ。

会ったことはないけれど、毎日眺めている人たちだったので、結婚を知った時は親戚のように驚いたし、身近な友達のように喜んだ。

そして2021年は、そんな驚きと喜びを2回、経験した。

1回目は星野源と新垣結衣。

2回目は菅田将暉と小松菜奈。

有名人同士の結婚は、もちろん世間を騒がせて、結婚に至る経緯や交際期間についての質問に、少し戸惑いながらも笑顔で答える様子が放送されていた。

すごいなあ、めでたいなあ。良かったなあ。

ただの一般人のわたしは、また画面越しに感動し、そして少しだけ、これからの彼らの生活に思いを馳せた。

二人とも忙しいから、あまりゆっくり過ごせる時間はないのかなあ。

休みの日は一緒にご飯を作って食べたり、昼寝をしたり、たまに早起きしてモーニングを食べに出かけたりするのかなあ。

そう考えて、この想像は、わたしの生活から派生しているだけだと気が付いた。

並べて書くのはおこがましいが、かくいうわたしも、今年結婚した一人だ。

8年お付き合いした恋人と、2021年8月に結婚した。(自分の結婚と重なって、この2組の結婚がいつもより特別に見えているのかもしれない。)

わたしの場合、1年ほど同棲してから結婚したため、大きく変わったのは苗字くらいで、日々の暮らしはさほど変わりない。

朝は時間がないから食べないことが多いけど、夜ご飯は一緒に食べる。

休みの日はとにかくゴロゴロして、昼過ぎに起きてラーメンを食べに行く。

たまに早起きできた朝は、近くの喫茶店にモーニングを食べに出かける。

予定のない夕方は、コンビニのコーヒーを片手に河川敷まで散歩する。

久しぶりのお出かけは、気合を入れてメイクして、手を繋いで街を歩く。

仕事から疲れて帰ってきた日は、ぎゅーっとハグをして手を繋いで眠る。

こういう日常を、わたしと夫が過ごしているような、こういう普通の日常を、彼らも過ごしているのだろうか。

有名人という立場上、外での生活は限られるのかもしれない。

でもわたしは、きっと彼らも、わたしと同じだと思う。

同じだといいな、と願う。

わたしが夫と結婚したのは、これから先も、大好きな人と一緒に生きていきたいと思ったからだ。法的効力を持って、この人と結ばれていたいと思ったからだ。

子供を育てたり、引っ越ししたり、病気になったり、喜んだり、悲しんだり、そういう生活のひとつひとつを、一緒に経験したいと思った。

彼らが結婚した理由も、もしかして同じじゃないだろうか。

2組とも、それぞれが地位を築いて、実力が認められて、多方面で大活躍している人たちだ。お金はあるだろうし、人との繋がりも、安定した将来も、きっとすでに持っている。

でも、結婚した。

一緒にいたいと思える人と、本当に一緒に生きていくために結婚した。

結婚の理由なんて、それ一つで十分だ。

いろんな生き方が肯定されて、自由に生きやすい社会になった。まだまだ若造のわたしは、今の変化には鈍感だけれど、この先生きていく中で、社会がどんどん自由になるのを感じていくだろう。

そんな時、もしかしたら疑問に思うかもしれない。

なぜ、結婚するの?なぜ、結婚したの?

しなければ自由なのに。自由だったのに。

この疑問を投げつけるのが、たとえ未来の自分だったとしても、どうか胸を張って答えてほしい。

わたしは、大好きな人と一緒に生きるために結婚をしたの。

それ以外ないの。なくていいの。


改めて、大好きな2組の夫婦に、心からおめでとうと伝えたい。

きっとわたしと同じ理由で、穏やかで幸せな普通の日常を過ごしていることを願う、大好きな2組の夫婦に。


#エッセイ #ゆるnote    #結婚

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