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フィルム復活の狼煙が上がりつつあるのかもしれない。

フィルムはもう終わりだ。

そう言われて久しい。
特にここ数年のフィルム業界に対する風当たりは厳しい。値上がり幅は常軌を逸してるほどに凄まじいものがある。今や安いフィルムでも36枚撮りで2000円近い。生産終了や受注停止などもどんどん進んでいる。

新しいフィルムが出ても、シネマ用フィルムの転用や、パッケージが違うだけで中身は既存フィルムの巻き直しなど、どうにかして生きながらえようとする延命措置的商品ばかりだった。まさに風前の灯…。

が、そんな中で立て続けに新作フィルム発表のニュースが飛び込んできた。

発表したメーカーはLomography(ロモグラフィー)とILFORD(イルフォード)だ。

両メーカーとも、今現在でも多くのフィルムを生産しており、使い捨てカメラや、写真に関わる面白い製品を生み出し続けてくれているメーカーだ。

この令和の時代に新作フィルム!?と飛びつきそうになった私。

だがいやまてまて、また何かの使い回しとかシネマ用フィルム系のなんかでしょー?と斜に構えて、いたが、、、なんと乳剤から調整を加えた完全新作のフィルムだというではないか!?

それも立て続けに2つのメーカーから!!

どんな商品であろうと、この苦しい時代に新作フィルムを出してくれるありがたさ。それだけでもう買って応援するしかないでしょう!!と、発表と同時にポチっていた。

なので今回はその2つの新作フィルムのレビューというか使用した感想を残しておこうと思う。

キーワードは「レトロ感」

発表された2つの新作フィルム

ILFORDからは
ILFOCOLOR 400 Vintage Tone
24枚撮りで、2750円(税込)

パッケージが可愛い。


Lomographyからは
LomoChrome Color'92 ISO400
36枚撮りで、1680円(税込)

ゴージャスなかんじ!


奇しくも立て続けに発表されたフィルムはどちらも「レトロ感」や「懐かしさ」をテーマにした商品だった。

若者の間ではフィルムの「レトロ感」や「ローファイ」な雰囲気がウケているという。

恐らく、それを強く意識しての企画。既存のフィルムユーザーのみでなく、新たに始める若者に訴求したい意図があるのだろう。

特にロモグラフィーの方はパッケージもオシャレに若者ウケの良さをものすごく意識しているように思う。

作例というほど大層なものではないが、撮ってみた写真とともに使ってみた感想を。(店舗データ化なので画像粗いところは申し訳ないです!!ホワイトバランスは多少いじってます。)

ILFOCOLOR 400 Vintage Toneの作例

特徴

・彩度低め
・寒色強め
・粒状感やや強め
・コントラスト強め

合いそうな被写体
西欧風の風景、廃墟、夕暮れ、古い街並みetc.

合わなさそうな被写体
人肌をメインにしたポートレート

感想

ヴィンテージトーンの名の通り、とてもレトロ感のある色。彩度が低く、どこか色褪せた見た目に。昔の景色や寂れた風景などそういうものを撮ると、どハマりしそうな感じた。

また、ホワイトバランスはとても寒色寄りに出る。上手いこと調整してあげないと真っ青になってしまうクセの強さがある。
デジタルの話になってしまうが、FUJIFILMのフィルムシミュレーションの「クラシックネガ」に似た雰囲気に感じる。

人をメインに撮る場合はレトロな服装をしてもらうなど何か世界観を工夫しないと、ただ血色の悪い人の写真になってしまうかなと思うので注意が必要だと思う。
赤の色相がオレンジ寄りになるところが個人的に好きなポイント。レトロをテーマに改めてしっかり撮りたいと思った。

LomoChrome Color'92 ISO400の作例

特徴

・彩度は色によって高め(特に赤や黄色、青)
・寒色寄り
・粒状感強め
・コントラスト強め
・乳剤の色のせいか、シャドウが黄土色味

合いそうな被写体
古い建物、温泉街、レトロな喫茶店、日本の街並みetc.

合わなさそうな被写体
人肌をメインにしたポートレート

感想

こちらもイルフォードのフィルムと近い傾向。青みが強くでる。彩度もあまり高くないのでやはり、レトロ感を演出したい時に有効だと感じた。ただ、赤や黄色などはコッテリと発色をしてくれるため、そのメリハリがよい。露出不足だったり、暗いところで撮ると、乳剤の色が出るのかシャドウに黄土色味が乗る感じがする。

こちらも人肌をメインにポートレートをとる場合は少し工夫が必要だと感じる。

令和の時代に新フィルムを楽しめる喜び

いかがだっだろうか。どちらもレトロ感を全面に押し出した感じで、クセがあるフィルムではある。でもこの令和の時代に少しでもフィルムの選択肢が広がることがどれほど喜ばしいことか、、、。

しかも重要なのはどちらもきちんとC-41プロセスで安心して現像できる代物であること。

シネマフィルムの流用が当たり前になってきた昨今、しっかりとした処理をせずに写真用フィルムとして売っている粗悪品も数多い。(メルカリなどで購入する場合は本当に気をつけたい)

そうした粗悪品を店舗に持っていってしまうと、現像機を壊してしまい、下手するとそのフィルム一つのせいで営業ができなくなってしまう可能性もある。
なので、安心して新しいフィルムを楽しめることがどれほどありがたいか。

今回紹介した以外にもMARIXフィルムなど、新興のブランドも多く生まれている。(既存製品の巻き直しではあるが)

暗い話題が多いフィルム界隈ではあるが、少しずつ、少しずつ復活の狼煙が上がり始めている気配を感じる。
最大手のKodakもフィルム生産ラインの増設のために投資と人材採用を強化していると聞く。

富士フイルムさんもチェキが好調だし、フィルムの方ももっと力を入れて欲しいっ!

これからまたフィルムという文化が盛り上がっていくことを期待したい。そのために私もフィルムの楽しさや魅力を色んな形で発信していこうと思う。

ということで、今回はここまで。
次回はリバーサルフィルムの魅力について語る(予定だけど間空くかもしれません笑)かなぁと思うのでお楽しみに!!


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