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安く近くリードタイムも短く~安近短のPCR検査でふつうの日常に

 「安近短」といえば、旅行にいくときに価格が安く、近場で期間も短い商品のことです。今回の感染症対策のPCR検査で、この言葉を思い出しました。
 先日、名古屋市の地下鉄駅を下りると、青いテントが張ってあり、「街頭PCR検査実施中」の旗がありました。早速、受けることにしました。
 検査を受けることができるのは、愛知県在住または通勤・通学者。検査結果を県に提供できること。そして自分のスマートフォンなどでWeb登録できることです。
 スマホでQRコードを読みとり、名前や住所などの情報をその場で入力します。自身のメールアドレスに番号が送られてくるので、その番号を入力すると「当日予約」が終了します。
 検査方法の説明を1分程度聞きます。その後、検査キットを受け取ります。隣のテントに机とイスがあり、アクリル板が設置されています。もちろん手指の消毒用のアルコールも。
 座って、検査キットを開き、大きい綿棒を舌の下に挟みます。係員の人がタイマーをセットしてくれますから、あとは決められた3分間じっと待つだけ。鼻のなかを綿棒でさわられるよりも違和感がありません。
 机の前には説明文とともに唾液が良く出るようにという配慮から、梅干しとレモンの写真が張ってありました。この心配り。緊張感も和らぎますね。
 3分たつと、綿棒を検査用のケースに差し込み、ふたを閉めます。数回振って、キットの中に入っている消毒用のウェットティッシュでケースを拭いて、係の人に渡します。20分程度で終えることができました。
 愛知県は第5波はほぼ終息したとして県独自の飲食店の営業時間などの規制を10月18日(月)に解除します。
 確かに8月27日の陽性者数は2347人(うち名古屋市居住者1123人)と最多だったもの、10月15日は34人(17人)。50人を割り込む日が続いています。
 問題は、減ったのがなぜなのか、裏付けのデータが出そろっていないことです。個人的には三つの理由が思い当たります。
 ひとつは、「不織布マスクを顔にきっちりつける」という意識が浸透したこと。
 二つ目は、窓を開けて部屋の換気がしやすい秋の気候になったこと。
 三つめは、ワクチン2回接種者の比率が対象者に対して76.37%(愛知県の10月15日現在)になっていること。
 これからの課題は、医学・疫学的にデルタ株のあとがどうなるのか、という懸念です。お盆休みのように人の流れが増えた後のリバウンドは、何度も経験してきたことですから。
 さて、街頭PCR検査の結果は翌日に届きました。「陰性(negative)」でした。国内でコロナ騒動が始まった2020年の初めからテレビに出演する感染症の専門家の説明に聞き入っていました。いま思い返すと、PCR検査を徹底することで、経済を回してはどうかという指摘が当たっていたのではないでしょうか。
 結局、保健所の人員減や検査機関の不足など感染症から国民を守る安全保障の初動体制が遅れたように感じます。
 今年の年末年始は人が動きます。周囲では忘年会の準備も始まっています。まだ感染症対策の検証がなされていない段階では、ふるさと土産のなかに、PCR検査などの安全証明という気配りも加えたいものです。
(2021年10月16日)

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